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「は?な、なんで、お前(大英帝国)が此処にいんだよ」
アメリカはすんごく驚いたみたいで、閉じない口をパクパクさせてる。
「「…お父様……」」
秒針の音に掻き消されそうな声のオーストラリアとカナダの声が重なった。
「姉、さん………。ヴィシー…………。?」
ご主人は口元を押さえて「嘘だ」と何度も繰り返しながら、目にはうっすらと涙を浮かべてた。
因みに、ご主人の姉は、奥様だよ。
「何故、貴方方が此処に。私の事、お兄様はお嫌いでしたでしょう?何故」
イギリスのいつものポーカーフェイスは完璧に崩れてた。そりゃ、仕方無いか。既に死んだ自分の先代のイングランド王国の化身、イングランド王国とスコットランド王国の化身、スコットランド王国。そして、自分の兄であり嫌われてると思ってる存在のイギリス帝国の化身、大英帝国が目の前にいるんだから。
「嫌い?なわけ無いだろう」
イギリスの言葉に不思議そうに大英帝国はそう返す。
この化身は不器用過ぎると思うんだけど。こんな化身だから、そのドールの英厳も不器用だったの?
いや、英厳は元から不器用だから、大英帝国が英厳を見て育ったからこうなったのかな。
「ストレスと微かな怒りで偏頭痛が、」
「炎吉兄さん大丈夫?」
そんな事を考えていると炎吉は額に手を当てながらそんな事を言ってた。心配してか炎加が炎吉に近寄ってた。jeもそっちに行きたい!でも、奥様とヴィシー様が変な事言わないように見とかないとだし。
「いえ、お気になさらず」
炎加が近寄ると炎吉はいつもの優しい笑顔を向けてた。炎加がこんなにも羨ましいのは今日が初めてかも。
「英厳兄様は、来ていないんですね」
何処か遠くを見つめながら炎利はそうボヤいた。
安堵か、喜びか、はたまた悲しみか、jeにはよく分からないけど、少なくとも寂しそうに揺れる炎利のスカイブルーの瞳は、「悲しい」って訴えてるみたいにも思えた。多分、いや絶対、炎吉(英厳)は気付いてないけど。
「にしても、13植民地はいつも通り元気そうだな」
「は?」
少し目を細めて大英帝国はルビーのような瞳が鋭い針のようにアメリカのスカイブルーの瞳を見つめてそう言い放った。
植民地時代の、昔の弱かった頃の名前を言われて、アメリカは酷く困惑しているみたい。