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休日の午後。高尾家リビングに座るふみやの膝に、娘がちょこんと乗ってる。
ふみやはその子の髪を優しくとかしながら、笑顔で言った。
「ねぇねぇ、将来の夢とかあったりする?」
すると──
「ふみやくんと、けっこんするの!!」
と、満面の笑みで宣言。
……沈黙。
そして、ふみやがちょっと固まってから
「えっ……あ、あ、ありがと……!」
って笑いながら目泳がせる一方で、
颯斗、ソファの後ろでバッタァァァンって倒れ込んでた。
「……俺…………パパなんだけど…………?」
ママが笑いをこらえてると、
ふみやがさらに追い討ちをかけるように、
「えーじゃあ将来の花嫁さんってこと?やば、緊張するじゃん〜!」
「もうやめて!!!俺の心に追い打ちしないでぇ!!!なんで我が子が!俺の弟と!?え!?何この三角関係!!」
バタバタ暴れながらも、ふみやのほうを見て小声で、
「なぁ、ちょっと…手ぇ出したらほんとに怒るからな」
「は?出すか。てか誰に向かって言ってんの?笑」
そこからは、
「ふみやくんのほうがかっこいい〜!」
「ふみやくんのおひざがいちばんすき〜!」
と、パパの心を削りにかかる娘(推し)に、
「…………俺、いつかこの子にフラれる未来しか見えん……」
って涙目で落ち込む颯斗を、
ふみやとママが爆笑しながら慰めてた。