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王の名はシフ
彼は笑っている
「あの三日月は欠けているわけではない」
私はただ憐れだと思った。
父が笑ったわけを思い出せない。
「まもなくですへいか」
「、、、」
「いかがされました」
「いや、ビンナスできているか」
「、、、とどこおりなく」
豪快な足音がする
大理石を踏み鳴らし、重苦しい扉が開くのを待たずに彼は現れた。
「来たぞ!我が友よ!」
「アスラン、久しいな」
彼は東国の王
我が友にして、唯一の同盟国の長である。
「殿下〜前のめり過ぎですぅぅ」
「遅いぞジュドー!何をしておった!」
「殿のあまりの勢いに馬が飛んだり跳ねたりラジバンダリしてるのを必死で落ち着かせてたんですよぉぉ」
「それが役目であろう!ブァハハハ!」
私はアスランの豪快さよりも、彼に振り回されるジュドーを見ている方が愉快だ。
「ジュドーもよく来たな、今宵も苦労しただろう」
「いやもう苦労なんて生優しい、、あ、いや勿体なきお言葉ッ」
「アスラン殿下お久しゅうございます」
「ビンナス!まだ生きてたか!」
「ははは、この老骨にはまだまだ迎えが来ないようで」
「アスラン、あまり虐めてやるな」
「ふん!なぜお前の側近は先代から代わらんのだ、友よ!」
「田舎者でね、新しいものには疎いんだ。さあ、部屋を移ろう」
この会談は三日月の夜と決まっている。
両国の友好を確かめ合うに過ぎないが、代々続いている伝統。
途絶えさせるわけにはいかない
たとえ私が、、、、