男には、社会の荒波に揉まれて仮面を被らなければいけないときがある。
「ロイヤルなストレートっぽいフラッシュ!」
「ぎゃああああ! また負けた」
テーブルを挟んだ向かい側、ヒゲ面の大男が手持ちのカードたちを投げ出した。
薄汚れた酒場の一画は政府公認の賭博場で、夜になると男たちが集まる場所だ。
「仮面の破壊王には誰も勝てねえ……」
この勝負を観戦していた男が、一歩後ずさりして恐れおののいている。
勝利したことで得たコインの山を数えると五十枚はあったが、上の十枚だけ取って残りはヒゲ面の大男に返した。
「あ、これだけあれば今日の夕食はなんとかなるんでお返しします」
「え……? いらないの……?」
「はい」
「勝ったのに?」
「はい。勝者には因縁がつきまとうって父さんから口が酸っぱくな******
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