どっちが好き？

渡辺が、帰って、佐久間は岩本に言う。

佐久間ー働きすぎだよな？

岩本ー目黒か？

佐久間ー頑張りすぎだよ。

岩本ー下積みが長いから、いただく仕事を断るなんて、選択肢にないんだよ。

佐久間ー俺たち皆んなそうだろ？

岩本ーまぁ、ちょっと働きすぎって気はするけど。

佐久間は岩本の膝に向き合って座っている。抱きついて、小さな声で言う。

佐久間ー照がいなかったとき、俺も食べれなかった。

岩本ー大介・・。

佐久間の顔を掬い上げてキスをする。軽いキスから熱いキスへ。

岩本ー心配されると、申し訳ないけど、嬉しいな。

佐久間ーばか。

岩本ーでも、ちゃんと食べてくれ。

佐久間ー頑張って食べた。毎日じゃないけど。

しがみついてる佐久間のうなじを舐める。「ふふふ」と笑う佐久間。

岩本は、ゆっくり背中を撫でている。家で、愛猫が待ってる。帰るまで、こうやって、引っ付いていよう。

岩本ー風呂友といい、オタクといい、当たりが続いてるな。

佐久間ー当たり？景品みたいに言うな。

岩本ー大介は、グループでも、アクロバットで目立つし、ユニットやソロでも、しっかり結果出して、凄いと思う。

佐久間ー褒めてくれるの？

岩本ー自慢の恋人だ。

佐久間ー照・・。

優しくキスしてくる。佐久間は、こういうとき、帰りたくないけど、猫たちが待ってる。急に予定を変えて、泊まるなんて出来ないのが辛いところだ。

佐久間ー照、いっぱいキスして？

岩本ーん？

佐久間ーもうすぐ帰らなきゃだから、いっぱいキスして？

岩本ー大介・・。

佐久間ーんっ・・んっ・・。

可愛い、おねだりに「帰るな」と言いたい岩本だが、猫ちゃんが待ってる。熱が上がってしまわないよう気をつけてキスをする。今度は、猫ちゃんたちと自分と、どっちが好き？と聞きそうになる。

佐久間ーそろそろ帰る。

岩本ーもうちょっと。

佐久間ーだめ、帰れなくなる。

岩本ー明日、猫ちゃんの世話して、泊まりにおいで？

佐久間ーん。

翌日の夜。

猫ちゃんたちの世話をして、泊まりに来た佐久間。嬉しそうで、でもちょっと恥ずかしそうで、何年経っても、可愛い佐久間。岩本は佐久間を優しく抱きしめてキスをする。

完