{居納神社}
「神月{かんずき}ー居るー?」
とある神社の夕方、右目に眼帯をした茶色いボブヘアの少女が歩いてきた。
少女は慣れた手つきで靴を脱ぎ本殿へ上がる。
「おかしい、いるはずなんだけど・・・」
その時!
「あら、てる」
ほおきを持ち、カラスの羽よりも黒く美しい髪を左でまとめた少女(おっきい♡)が出て来た。
「もう帰ったんじゃなかったけ?」
土着神の末裔
居納 神月(いな かんずき)
彼女はその良き悪友を見、大きなため息をついた
「ぃよっ」
神に近づく猿神
新折 てる(にいおり てる)
「すまん すまん 忘れ物をしただけだ」
「これでしょ、どうせ」
神月は、手に持ったほおきを置きポケットから取り出した何かをちゃぶ台ごしに話すてるにほおり投げた
「セーフ」
てるが焦りつつ小声で発する。そしてそっと合わせた手を広げた。
「そうこれ!」
名前はないけど、私があの孫悟空のにょい棒を真似て作った武器。
本物どうり伸び縮みするけど、その分なくしやすい。
「あんたのほっしている物なんて、だいたい分かるわよ。単純だしー」
てるの方を向いていた神月が、くるんと開きっぱなしのふすまの方を向いた。
顔は見えないがだいたい照れているのだろう。長い付き合いだからわかる。
「いやーでもさすがは神月」
「私をたおしただけの実力は、あるからな」
にょい棒モドキを伸ばし言う。
「「たおした」って大昔の事じゃない。今その事関係あっ・・」
{!!}
いつの間にかこちらに顔を向けていた神月が赤面しながらも大きく首を横にふる
「フッㇵハハハハハハ・・・・。お前のそういうとこ、嫌いじゃないぜ」
赤く染まった夕空にカラスが一匹「あほ〜〜」
7,800年前から変わらぬ月都の風景だ。
「はあ」
先ほどとは異なり照れつつも、優しさのあるため息
「もう遅いし、今日は泊まって行きなさい」
「えっ?」
「そろそろ妖怪達がわいてくるし」
「妖怪・・・・」
てるがわざとらしくあたりを見渡した
「あってぇ、あんたがそれを言うかい!!」
二人は思わず失笑した
❁
その日の夜、神社の離れの住居で夕食を食べだ後神月達は、宴会気分で飲んだくれていた。
「里でですね新しい団子屋があったんですよ」
居納神社の巫女
英塚 あんこ(えいずか あんこ)
「食べだ?」
てるが大きく口を開けあんこにきいた
「いいえ、まだで」
「で」
さかずきを片手に慣れた様子で、神月が言った。
金を表すハンドマークで、当然こうかくも上がっている常習犯だ。「もう何度目」と思いながらも、
じゃれ合うてるとあんこを微笑ましく見つめ、た・・・・・・・・この神社の巫女何だし、もう少し、・・
しつけ、なきゃな・・・・・・・・・。
「おーい、神月さーん」
「まだ酔いつぶれるには早いですよー」
「・・・」
「はっ」
無意識に下をみる。
姿勢の悪い自分の足があった。
「ついさっきまで、意識は鮮明だったのに・・・。」
自分にしか、聞こえないであろう声でゆった。神社の仮祭神としてとても恥だと思いつつ
頭に無数の?マークがついた。
「ん゙」
ほおをつねり、夢かどうかを確かめた。でも痛い。どこか不思議な感覚である。
「えっいや、大丈夫。飲むペースが早かったみたい」
あんこがこちらを気にしていたので、適当にごまかす。
「もしかして、体調悪いんですか?」
「・・・」
「よってきた。今日はもう寝よう」
私は、立ち上がり寝室へ向かった。
だがこのとき、後に眼帯のせいでどこか厨二に見える我が相棒は私のすぐ後ろで、
大きく声をかけてくれていたらしい。
それを聞いたときそれに一切その事に気付かななかった私は、しばらくお酒を飲むと
それを思い出してついつい飲みすぎないように気を使ってしまった。
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