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皆様こんにちは(」・ω・)
投稿遅くなり本当にすみません。前回の予告通り、摩浪たちの卒業式の話。終わったあとから始まります。ではでは、スタート!
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3月卒業式
摩『式やっと終わった』
猫「せやな〜」
理「肩痛いわ」
卒業式が終わり今は校門にいる。もちろん、平介と敦牙と一緒。
摩『2人はこの後予定あんの?』
理「家に帰るだけやな」
猫「俺も」
摩『ならさ、少し遊んで俺の家来る?』
予定がないなら良いかなと思って、俺は遊びに誘った。これから先、会おうと思ってもすぐ会えるわけじゃないし高校最後の時くらいは一緒にいる時間も多い方がいい。
猫「行きたい!」
理「でも、大丈夫なん?」
摩『兄貴は好きなだけ遊んで来いって。あと、お祝いさせて欲しいからだって』
2人の承諾も得て遊びに行くことが決まった。でもその前に兄貴に連絡を入れないと。
摩『もしもし、兄貴。少し遊んで2人連れて家行くよ。あんがと』
電話を終えて校門を出る。
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摩浪宅にて
李「少し遊んで来るらしいからもう少し待ってね」
北「分かりました」
一方、摩浪の家では兄の李律と北たちが集まっている。卒業のお祝いのために。
赤「(Ⲻ༥Ⲻ* )ムゥッスゥ━━━━━━━」
北「こいつはどないしたん?」
耳「いじけとるだけや(笑」
赤木がいじけてる理由それは…
赤「なんで!俺以外の!男と!遊ぶねん!」
摩浪が平介たちと遊びに行くからである。
北「こら。人様ん家で大声出すな」
李「あはは。大丈夫だよ」
兄の李律は、赤木と摩浪の関係を知っている。2人からの報告を聞いた時の反応は普通、というか驚きはしなかった。ただ喜び、2人を祝福した。
耳「路成は摩浪の事となるとうるさいな」
尾「せやな。異常なまでに」
赤「俺の摩浪やもん!」
北「20歳にもなって「もん」とかやめろ」
赤木がこうなるのにも理由がある。それは会える日が少ないからだ。都合が合う日は一緒に過ごすことができるが、赤木は大学生、摩浪はユース活躍などで互いに忙しい。
侑「まぁ、仕方ないよなぁ」
治「せやな。2人とも忙しいし」
角「特に摩浪の方はね」
小「ユースやらあったしな」
銀「赤木さん、大丈夫ですか?」
赤「大丈夫。摩浪にとって大事な友達やからな。友達から引き離すほど俺は酷やない」
恋人であっても過剰な束縛はしない。少しの嫉妬はあっても仕方ないと割り切れるのが赤木だ。
赤「はぁ〜。早よ帰って来んかなぁ」
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摩浪side
3人で遊ぶことになって、色んなとこに回った。
ゲームセンターでは小さな子供みたいにはしゃいで、買い食いのために行ったフードコートでは甘いもの食べて癒されたし。
摩「はぁ…ヤバイ楽しい」
猫「3人で遊ぶの初めてやない?」
理「ずっとバレーやったしな」
敦牙も平介もすっごく楽しそうな顔。
摩『敦牙、平介…ありがとね』
猫/理「?」
摩『2人がダチで良かった。3年間、本当にありがとう』
お礼を言った後、鞄からラッピング済みの箱を出し2人に渡す。タメでこんなに仲が良くなったのは翔陽以来だし、本当に楽しかったから。
摩『開けてみ』
ガサゴソ( ꜆ ’-‘ )꜆🎁
猫/理「……、、( ⋰꒳⋱ )ブワッ」
摩『えっ』
猫「おまっ、ほんっとに!(泣」ポロポロ
理「泣かせんなやぁ(泣」ボロボロ
箱を開けた直後、2人の目から涙が溢れて泣き始めた。さすがにびっくりしてる。
摩『中身がそんなに嬉しかった?』
俺のプレゼントしたのは名前入りの多機能ペンと、ちっさいアルバム。
猫「これッ、全部っ…一緒に撮ったやつ(泣」
理「春高のも入っとるッ(泣」
摩『2人と一緒に過ごした時間が1番長かったから。データでも良いけど、形にした方が思い伝わると思ったんだ。本当に楽しかったから』
今まで一緒に撮ってきた写真を入れたアルバム。喜んでくれたらって思ってたんだけど、まさか泣くとは思わなかった。
摩『嬉しい?』
猫「嬉しいに決まっとぉ」ポロポロ
理「でも、泣かせんなッ(泣」
摩「ごめん(笑。さて、時間もいい頃だし俺の家行こっか。兄貴が待ってる」
2人の腕を引き歩く。俺より大きい2人を引っ張るのはちょっと大変だけど、楽しい。多分これから先も俺は2人より小さいまま。でもそれで良い。
摩『泣くのは良いけど周りに人いるの忘れんなー』
俺がそう言うと、2人は目を擦り前を向いて歩き出した。でも俺の腕を離すことはない。
こんなの初めてだけど凄く嬉しい。
摩『ここだよ俺の家』
店を出て数分後、俺の家の前に着いた。
猫「お前、本当に金持ちなんやな」
理「なんか緊張する💦」
摩『なんでだよ(笑。ほら行くぞ』
ドアを開け2人を家に入れる。玄関で待っていた兄貴が俺たちを出迎えてくれた。こんな風に兄貴の顔をしっかり見れたのはいつぶりだろう。
摩『ただいま、兄貴』
李「おかえり。そしていらっしゃい」
猫/理「お邪魔します!」
家に上がりリビングのある部屋のドアを開ける。その時、見覚えのある人物が目の前に現れた。
赤「おっかえりー!」
摩『わぁっ!?』
本当にびっくりした。赤木さんが飛び出してきた直後、すごい勢いで抱きついてきた。急なことで俺も少し混乱している。
摩『え、ちょ?……は?』
赤「卒業と進学おめでとう!」
摩『あ、ありがとうございます?…え、大学は?』
北「3人のお祝いに来たんや」
前を見ると北さん達もいる。忙しいはずなのに、わざわざ来てくれるなんて思いもしなかった。
侑「猫目も理石もおめでとさん…ん?」
角「2人ともどうしたの?泣いた?」
理「摩浪に泣かされました」
猫「あ〜、ヤバぃまた泣くッ」
2人が泣き出しそうになるのを侑さん達が止めている。銀さんは少し慌ててるやら、侑さんと小作さんは笑いながら話してるやらで騒がしい。
北「摩浪、猫目、理石、これは俺らからのお祝いや。よかったら使ってな」
北さん達から渡された箱を開けると中に入っていたのは、時計だった。
摩『ほわ〜。素敵な時計ですね』
治「気に入ったか?」
摩『はい、もちろん。ありがとうございます』
時計を見て喜んでいると、やはり敦牙と平介は泣いた。それを笑いながら見守る先輩達。この光景を見た瞬間、俺はあの時の景色を思い出した。
そう、2年前の春高。
あの時の一撃を彼らのために、俺を導いてくれた彼らへの恩返しになればと思い打った一撃。
摩『……、』
赤「摩浪?」
摩『2年前の、春高決勝…。』
摩以外「?」
摩『俺は監督に聞かれました。「3年のために試合をしているのか」と。その時俺は違うと答えました。「俺にとってここは成長の場で、そこに“3年最後が着いてくるだけ”」って。でも…、』
『恩返ししたいって思って試合をしていました』
「!」
摩『中学の頃の俺は、チームのためだけの試合をしていました。でも、稲荷崎に来て、自分の力を発揮したプレーをしていいんだと学ぶことが出来たんです。あんた達が輝いているところも見たいって思って、夢中だった。だから、』
『本当にありがとうございます。あんた達が仲間で本当に良かった』
俺がずっと伝えたかったことをやっと伝えられた気がする。誰かの操り人形じゃない、仲間として、なんにでもなれる狐もどきとして生きていく糧をくれた彼らに出会えたことが本当に嬉しかったから。
摩以外「( ⋰꒳⋱ )ブワッ」
摩『ふぁ?』
尾「なんでっ、俺らが泣いとんねんッ!(泣」
耳「あー、あかん涙腺が」
やばいまた泣かせてしまった。珍しく北さんまで涙出てるし、本当にやばいのではと思い始め、謝ることにした。
摩『な、んか、ごめんなさい』
赤「謝らんで!むっちゃ嬉しいで!」ポロポロ
赤木さんに強く抱きしめられ、俺の首元に彼の涙が落ちた感覚がした。声は大きいけど、少し震えてて泣いてることが直ぐにわかる。
摩『あんた達に会えた事が、俺の人生を大きく変えたんです。とっても幸せです』
侑「わかったからもう泣かせんでっ!涙止まらへん!(泣」
角「やばいッ、久々に泣いた」
小「摩浪は色んな意味で凄い奴やな(笑」ポロポロ
治「俺ら…、摩浪のお祝い来たんよな?」
銀「ッおん。逆転、されたけどっ」
みんな泣いてる。敦牙と平介は今日で2回目だし。
北「摩浪。俺らもお前が仲間で良かった」
赤「俺らも幸せやで」
摩『俺を導いてくれて本当にありがとうございます。そして、赤木さん』
赤木さんから少し離れ手を握る。そして、
摩『これからも、よろしくです』
赤「当たり前や!大好きやで摩浪!」
再度抱きしめられた後、彼はキスしてきた。嬉しさが溢れて俺も涙が出てくる。他のみんなは「おめでとう」と言いながら拍手してる。
こんなに幸福な日が来るなんて思わなかった。
摩『(ありがとう)』