テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
279
るななっち
1,113
727
佐野side
🩷「いい家族だな」
🤍「はやちゃん家だって一緒でしょ」
夜ご飯までご馳走になり泊まっていけば?とまで言われたが、事務所がホテルを取ってくれていたので丁重にお断りをした。
🩷「風呂先入るか?」
🤍「はやちゃん先いいの?」
🩷「じゃあ、間とって一緒に入る?」
🤍「…遠慮しとく」
ホテルはツインルーム。
若い男2人にとって別に友人同士で泊まることもあるので不自然ではないが、どうしても意識してぎこちない会話をしている気がする。
窓から外を眺める。
ここが柔太朗の住んでいた街、ここに柔太朗の軌跡があって、俺の知らない柔太朗を知っている人たちがいるんだ。
🤍「おまたせ、お先…」
白いバスローブが肌の白によく映える。
髪は乾かす前で湿度を含んでいて、眠たいのか少し瞼が重くとろんとしている。
ダメだ、この前の台本が頭をよぎってしまう
🩷「おう…、じゃ行ってくる」
初夜の前のカップルみたいな会話がこそばゆくてムズムズする。
俺は自分の中心が軽く立ち上がっている事を悟られないように足早に部屋を後にした。
山中side
2人きりのホテル。
いつもはメンバー全員で一部屋に集まって寝る前に過ごしたりもするし、一緒に寝ることもあるけど、なぜかはやちゃんという意識が先に働いてしまいまともで居られない
最近は毎日のように一緒に仕事をし、演じている役ではあるけど、恋愛模様を描けていることで心も前ほど荒むこともなく、落ち着いていたはずだった。
そろそろベッドシーンかぁ…
やっぱり意識の原因は初めてのベッドシーンで、どうしても台本を読み進められなくて上手くできる気がしなかった。
一応持ってきた台本を机に広げてぶつぶつと声を出す。
🩷「ただいま…」
🤍「おかえ…」
髪からポタポタと垂れ落ちる雫をガシガシと拭き取りながら、バスローブの前を開けっぴろげて歩くはやちゃんから目が離せなくなった。
🩷「ん?どした?」
🤍「なんでもない!」
🩷「台本読んでたの?」
🤍「うん…」
🩷「緊張するよな…」
🤍「はやちゃんも?」
場数を踏んでるはやちゃんがまさか自分と同じ気持ちだったなんて驚きが隠せない。
🩷「するよ、だってこの作品の見せ場じゃんベッドシーン…
3回ともシチュエーションがバラバラだし」
🤍「感情がわからないんだよね」
自分の演じるハクは悲惨な過去から感情をほとんど出さない。
それゆえにこういった情熱的なシーンでどこまでを許容されるのかがまだまだ手探りの状態で、少しずつ精神がすり減っているのも感じる。
ふと脳裏をよぎる、キスの練習…
🩷「リハーサルいる?」
同じ事を考えていたんだ
🤍「したいけど…これってさ」
🩷「大丈夫、練習だから」
佐野side
何を口走っているのだろうか?
🩷「大丈夫、練習だから」
戸惑う柔太朗の肩に手を置いて、台本の文字を指でなぞる
ト書きを声に出して読んだ
🩷「ハクが部屋に入るなりコウに抱きつく
そして、顔まで手が伸びてキスをする」
柔太朗が立ち上がる
ガバッと抱きついて、顔を両手で押さえてキスを落とされる
噛み付くようなそんな荒々しいキス
🤍「ぷはっ」
🩷「お前、キス上手くなった?」
🤍「台本に書いてあるから…
次、コウがハクの前髪をかき分けてフッと笑う」
俺は柔太朗の前髪をかき分けてフッと笑った
そのまま横目で文字をみる。
ーコウがキスを仕返す。
そのままベッドへもつれ込むー
そのまま柔太朗にキスをしながら移動し、ベッドへ柔太朗を押し倒した。
🤍「台本…」
🩷「頭に入ってるから任せろ」
そのままキスを落とす
何度も何度も角度を変えて唇が無くなるんじゃないかと錯覚する。
バスローブを脱いだ。
そのまま首筋に顔を埋めるような仕草をする
🤍「んはぁっ」
柔太朗もノッてきたのか、アドリブで喘ぎ始めているようだった。
コメント
4件
忙しい中、投稿ありがとうございます!! お互いに両思いなのに気づけないのがやっぱりすごくもどかしいですね笑 練習としてやりつつも2人とも心の中ではガッツリお互いのことを意識してやってるんだろうなーっていうのがちょっと切ない、、! 引き続き応援してます!!
