テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
朝食の時間。
長いテーブルには色鮮やかな料理が並び、ロワンは目を輝かせる。
「いただきまーす!」
フォークを手に取ろうとした瞬間、執事がすっと手を添えた。
「坊っちゃま。」
「……なに?」
「本日はお食事の作法のお勉強も兼ねております。」
「また勉強!?」
「ええ。」
ロワンはしょんぼりと肩を落とす。
「早く食べたい……。」
「お気持ちは分かりますが、まずは姿勢でございます。」
「こう?」
「背筋をもう少し。」
ロワンはぴんと背筋を伸ばす。
「これでいい?」
「ええ、とてもよろしいです。」
「じゃあ食べる!」
勢いよく料理に手を伸ばそうとした瞬間――
「坊っちゃま。」
「またぁ?」
「ナイフとフォークが逆でございます。」
「あっ……。」
執事はにこりと微笑む。
「慌てなくても、お料理は逃げませんよ。」
「でも、お腹が逃げそう……。」
「安心してください。坊っちゃまがお腹を空かせることも、本日の予定に含まれております。」
「そんな予定いらない!」
執事はくすりと笑い、一礼する。
「では改めまして、召し上がれ。」
「……いただきます。」
ロワンは少しだけふくれながらも、今度は礼儀よく食事を始めた。
コメント
1件
いやもうこの話、ロワンかわいすぎるでしょ!!😭💕「お腹が逃げそう」って言い方に全部持ってかれたし、執事さんの「予定に含まれてます」って返しがプロすぎて笑ったw 勉強も頑張りながら食べる姿が健気で、朝からほっこりエピソードでした…!!次も楽しみにしてますね🌸