目「…ファッ、朝か」
トントンと食材を切る音で目が覚めてリビングに向かう
目「亮平おはよう」
阿「おはよう!もうすぐでご飯出来るからね」
目「うん、ありがとう」
次第に子供達も目を覚ましてきてさぁ皆んなで
朝ごはん!…なんだけどあれ、1人いない…
ラ「まぁ!」
康「おいしーなー?」
目「…大介は?」
阿「あれ?本当だ」
向「おれ起こしたで?」
辰「ひかるーコップ取って」
照「んー、はい」
目「とりあえず様子見てくるよ」
阿「ごめんねありがと」
大介と康二の部屋の前に行きノックをして
入る。
2段ベットの下の段には布団にくるまった大介の姿があった
目「大介?朝だよ…起きないの?」
ピクリと体を動かし反応するけど布団からは頑なに出てこようとはしない
なにかあったのか…?風邪とか…⁇
目「大介?頭痛い?風邪かもだから一回パパに顔見せて」
大「……グスッ」
目「えっ、大介⁉︎」
やっと顔を見せてくれたと思えばグズグズに
泣き散らかした顔が布団から出てきて朝から
焦りに焦るそんなに泣くほど何があったのか
大「パパっ、だいちゃ、学校行きたくないっ‼︎グスッ」
目「…どうしてなのかパパに言える?」
大「…かけっこ、おそいからっ、…グスッ」
目「かけっこ?」
大「いつも、ビリだからグスッ」
目「そっか、それが悔しくて行きたくないの?」
大「…コクンッ」
目「……それでもパパは大介には学校行ってほしいな」
大「…⁉︎」
まさか行けなんて言われると思ってなくて
目をまん丸にさせながらこっちを見つめる大介
本当は休ませてあげたいけどここは心を鬼にしてたまには父親らしく背中を押してあげることにした
目「大介の気持ちすっごいわかるよ嫌だよね、やりたくないって気持ちパパも知ってるから」
大「…じゃあ、なんでするの…?」
目「諦めたくないからだよ…何事も諦めちゃったらそこで終わりだけど諦めずに最後まで走り切ったらその先に見える景色は今までとは違う新しい景色が見えるから頑張るんだ」
大「…新しい景色?」
目「そう、大介が頑張って諦めなかったら必ず見えるよ」
大「大ちゃん頑張ってみる…」
目「本当に?」
大「うん、大ちゃんも新しい景色見てみたい‼︎」
目「それでこそ大介だよ!さ、朝ごはん食べに行こ」
大「うん!あ、…ねぇ、パパ?」
目「ん?どうした?」
大「…かけっこの、練習一緒にしてくれる…?」
目「…!」
大「でっ、でもパパもお仕事で疲れてるから無理だったら大丈夫だよ⁇」
目「やるよ、…一緒にかけっこの練習頑張ろうな」
頭をクシャッと撫でてあげると少し照れくさ
そうにしながらも全力で喜んでくれる
この日夕方から毎日のようにかけっこの練習
をした結果今では誰よりも早く走れるように
なって学校に行く時も元気よく行ってくれるようになった
大「パパ!今日大ちゃん1位だったんだよ⁉︎」
目「本当に⁉︎やったじゃん大介!」
大「パパと練習してよかったぁ!」
目「大介が頑張ったからだよ」
大「えへへっ、大ちゃん頑張ってよかったぁ」
目「…見た事ない景色見る事できたね」
大「うん!ちゃんとパパが言ってたみたいに見えたよ‼︎」
目「大介が努力したからだよギュッ」
大「パパありがとぉ!」
目「ん、どういたしまして」
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次回作…眠れない夜は
コメント
1件
素敵なパパだね