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続きは♡80で書きます
今日も日菜が休みだった。
ここ最近そうだ。
毎日毎日休み。
僕は日菜の家も知らないし、連絡先も知らない。
毎日、久しぶりに一人でいるとある日女の子に声をかけられた。
「こんにちは」
最初は誰に話しかけているのか分からなかった。
僕は凄く暗くて、友達も少ない。
だから僕に声をかけていると気づいた時はすごく驚いた。
「誰…」
僕はその娘に少し恐怖感を抱いていた。
「こんにちは。名前はワトソンくんで良かったかな?外国人なの?」
いや、ワトソンは日菜が勝手に着けた名前なんだが…
まぁ、良いや…
「そう…だけど」
「そう、やっぱり?私は小田谷 日菜 を慕っているものです」
日菜を慕っている…?
どういうことだ…
「日菜を慕っていると言うのはどういうことだ」
「ふふっ」
彼女が急に笑いだした。
「言葉の通りだよ。私は日菜様を慕っているの神様みたいにね」
神様…か。
それは信仰心が強い事だ。
「私はね。日菜様に穢れを負わせたくないの。日菜様には清い者に扱って欲しいの。」
「なのに」
彼女は一気に顔を暗くさせた。
「どういうこと?貴方はとても穢れた人よ。」
びくっ
体が反応してしまった。
穢れた人。僕には意味が分かる。僕はこの手で何人もの人を葬ってきた。
心臓が食べたいからという理由で。
「私。貴方に死んで欲しいの。何故ずっと日菜様が休んでいるか分かる?」
日菜が休んでいる理由。
まさか…
僕の頭の中に悪い想像が広がった。
まさか。いや、そんなわけ…
だって日菜はついこの間まで元気で…っ
「あら?貴方、もしかして結構聡い?気づいちゃった?笑」
彼女は笑いながら問いかけてきた。
「そうよ。私が日菜様を休ませているの」
そこまでは想像はついている。
「ふふ。私が日菜様に貴方が殺人を犯していると伝えてね」
やっぱり…!!
くそ、日菜には1番つたわりたくなかった。
今後日菜と関係を持つために隠さなければ行けない秘密だった。
だがその計画が壊れた。
「何故そんなことをする…!」
自分でもびっくりした。
これほどまでに怒りを抱いたことがなかったからだ。
「ねぇ、貴方。今まで一体何人の人達を殺したの?今まで居なくなった子達は貴方が殺したの?」
「…っ」
「ねぇ、ねぇ、教えてよ?私、気になるの。何故日菜様を狙ったの?殺すため?それともほんとに愛しているから?今までどうしてひっそり生きていたの?ねぇ、ねぇ」
なんなんだこいつは。
「七々!!」
っ。この声には聞き覚えがあった。
いつも聞いていた声。いつも一緒に居た人物。
「日菜」
「日菜、様、っ!?」
そこには日菜の姿があった。
「日菜様…どうして…」
「七々。一体何をしているの。」
日菜は少し怒っていた。
「日菜さまっ!違うんですっ!これはっ…!」
七々と呼ばれた彼女は顔を真っ青にして言い訳を垂れていた。
「私っ!日菜様がワトソンくんに惑わされないよう教育をと思って!」
「気安くその名を呼ばないで」
「っ!日菜様っ!」
日菜は七々の呼び掛けに振り向きもせずに僕の所へ近寄ってきた。
その日菜の顔はどこか悲しそうだった。
「ごめんなさい。私、七々から貴方のことを聞いて凹んでいたの。ほんとに人殺しなのかって」
日菜の顔はいつにも増して真剣だった。
「だから私なりに連続殺人魔のことについて調べたの…目撃情報を」
少し僕は焦ったが、すぐにその考えは無くなった。
なぜなら僕は人を殺す時必ず変装していたから。
「何度も何度も調べたけど、貴方にあった特徴はなかった。出てきた結果は身長180らへんとか小太りのおじ様とか、全然あなたに合っていなかった。」
ほら、この通り。僕は人を殺すとき必ず変装をする。この前あった日菜のお父様の時は流石に変装はしていなかったたが、その他はしていた。
そして殺す直前に伝えるのだ、携帯で。
僕の容姿を。
僕を知っている人物は怒り狂うか、悲しみ、僕を知らない人物は「なぜこんなに幼い子が」と悲しみ戸惑う。
だが、そのおかげで日菜を騙すことが出来た。
「ごめんなさい、信じてしまって。」
「大丈夫だよ」
僕がそう答える前で七々は絶望した顔でこちらを見ていた。
これは僕が日菜の心臓を食べるまでの物語