テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
緑星ふうま
239
緑星ふうま
590
#夢小説
コメント
1件
読んだわ。 第4話、すごく静かで刺さる回だった。 ふうはやが「いらない」って言うところ、あれ彼なりの距離の取り方なんだろうね。でもりもこんの「もったいないですね」は、きっと彼の芯に小さな揺らぎを起こしたと思う。 それでラストのボスの台詞、やばい。希望を与えてから奪う――あの人、絶対何か企んでるわ。伏線としての重みが凄いし、次がめちゃくちゃ気になる。 りもこんの笑顔が、どっちに転ぶのか見届けたい。
翌朝。
訓練場には、まだ朝露の匂いが残っていた。
ふうはやは誰よりも早く来て、一人でナイフを手入れしていた。
刃先に光が走る。
曇り一つない銀色。
それは、彼の心のように冷たく澄んでいた。
rm「おはようございます!」
元気な声が訓練場に響く。
りもこんだ。
昨日より十五分も早い。
ふうはやは時計を見る。
fu「……今日は早いな。」
rm「昨日怒られたので!」
胸を張るりもこんに、周りの構成員がくすっと笑う。
rm「遅刻するくらいなら、早く来ようと思って!」
fu「……そうか。」
短い返事。
でも昨日なら「当然だ」で終わっていた。
それだけでも、小さな変化だった。
⸻
fu「今日は近接戦闘だ。」
ふうはやは木製の訓練用ナイフを放る。
りもこんは慌てて受け取った。
fu「構えろ。」
rm「はい!」
勢いよく踏み込む。
しかし――。
パシッ。
一瞬で手首を取られた。
rm「うわっ!」
体勢を崩し、そのまま尻もちをつく。
rm「痛たた……。」
周囲から笑いが起きる。
rm「もう一回。」
りもこんは立ち上がる。
rm「お願いします!」
今度はフェイントを入れる。
だが。
ふうはやはすべて見切っていた。
また一本。
また一本。
何度挑んでも、届かない。
息が切れる。
腕が重い。
それでも、りもこんは笑った。
rm「強いですねぇ……!」
fu「当然だ。」
rm「いつか一本取りますから!」
fu「無理だ。」
rm「えぇ!?」
即答だった。
周囲からまた笑いが起きる。
⸻
昼休憩。
庭のベンチで、りもこんはパンを頬張っていた。
rm「んー!おいしい!」
すると隣に影が落ちる。
ふうはやだった。
無言で水だけを飲む。
りもこんは少し迷ったあと、自分のパンを差し出した。
rm「あの!食べます?」
fu「いらない。」
rm「おいしいですよ?」
fu「食事は栄養補給だ。味は関係ない。」
りもこんは少しだけ目を丸くした。
rm「……なんか、もったいないですね。」
ふうはやは答えない。
だが、その言葉だけが心に残った。
――もったいない。
昔も誰かに、そんなことを言われた気がする。
思い出そうとしても、記憶は霧の向こうだった。
⸻
その夜。
ボスの執務室。
bs「ふうはやはどうだった?」
構成員が答える。
mb「新人相手に、珍しく根気よく教えていました。」
bs「そうか。」
ボスは穏やかに笑う。
bs「いい傾向だ。」
構成員は安心したように頭を下げる。
mb「では失礼します。」
扉が閉まる。
静寂。
ボスはゆっくり立ち上がり、本棚から一枚の写真を取り出した。
そこには、幼いふうはやが写っている。
まだ笑顔を知っていた頃の写真。
指先で写真をなぞる。
bs「……少し早いかな。」
小さく呟く。
写真を机へ戻し、窓の外を見る。
庭では、訓練を終えたりもこんが誰かと笑っていた。
ボスは静かに目を細める。
bs「人は孤独だと折れやすい。だが……」
口元がゆっくりと歪む。
bs「希望を与えてから奪った方が、二度と立ち上がれなくなる。」
部屋に時計の音だけが響く。
ボスは静かに笑った。
bs「さて。」
bs「どこまで耐えられるかな。」