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しっぱいはせいこうのもと
緑×黄
👑「すちくん、?、」
3歳年上のバイト先の先輩。
遊び上手で有名な人だったけれど、はじめてみた瞬間からずっと忘れられなくて、猛アプローチの末、やっとお付き合いまで漕ぎ着けた。
👑「…、っ、すちくん、?」
そしてこれまでは至って健全で、安定的で
少女漫画のカップルみたいな感じで、
やっと、今晩。所謂、その、。
🍵「…やっぱ、今日はやめませんか、」
👑「…え、」
🍵「…、」
あまりの気まずさに目をそらす。
それでも視界の端には目の前の大好きな人の顔がちらつく。
👑「…はぁ、」
大きなため息に泣きそうになる。
俺はどうすればよかったんですか。神様。
そりゃあんなに憧れてやっと付き合えた人のこんな霰もない姿誰だって興奮しすぎて怖気付くし、気絶しないだけマシだろ、なんて口先だけは取り繕って荒げても、不安で心臓が引き締められる。
👑「…わかった、」
「俺もう寝るから。」
🍵「え、」
👑「…、なに、?」
🍵「…ぁ、…、えっと、」
イチャイチャしたかった、
お前が中断させといて?
どの口が言ってんだよというブーメランが額めがけて飛んでくる。
🍵「…なんでもないです、おやすみなさい」
👑「…、ぅん、」
そう言ってから布団に潜り込んでいく背中はどこか寂しげで、でもかける言葉もわかんない俺にはどうしようもできなかった、
数週間してからも、あれから一度も触れ合っていない、
そういうことは勿論、キスはおろか、手すらも繋いでいないかもしれない。
いや、元々俺からできる度胸なんてなかったし、いつも相手からだったから、
正確にいうと、触れてこない。が正しいのかもしれない。
悶々とそんなことを考えながら帰路に着く。
ちょうど洗濯物を入れている大好きなひとの姿が見える。
👑「…おかえり」
元々感情が表情に出やすい人だったけれど、最近はなんだかずっと不機嫌そうだ、
そりゃあ欲求不満ったらありゃしないだろう。元々遊び人だったわけだし。
🍵「…みことさん、」
👑「なに、?」
🍵「俺持ちますよ、」
👑「…、ありがとう、」
洗濯物を貰おうとした時、手が触れる、
久々の接触がこれかよ、とか思ってた時にはばっと手が退けられて、洗濯物が床に落ちる。
👑「…ぁ、、」
🍵「…、ぇ、あ」
👑「…ごめ、っ俺一人でやるし、お風呂沸いてるから入っときなよ、」
口先だけは優しいけど、俺を遠ざけるための戦略なのは、馬鹿でもわかる。
🍵「…、俺に手触られるのやでした、?」
👑「!、…、」
🍵「…、」
返事がないのが怖い。
もうどうすればいいのかなんて正しい判断はできなかった。
🍵「…、わ、かれますか、?」
そう言った瞬間に大きく見開かれた瞳を見て、きっと一生俺はこの人を忘れられないんだろうななんてまた自覚して、
👑「…、」
ずるい、こんだけ好きにさせといて。
やっぱ無理でしたなんて、
わかんない、こんなに人のことを好きになったことがないから、何が正解かなんて、
ヤる直前に男が無理なのに気づくなんてケース、少なくはない。
俺だって数回経験はあるけど、別にどうでもいいワンナイトの予定だったからスルー。
でも違った、寂しかった。中断された時は不安でいっぱいで、別れられるんじゃないかって、怖くて。今日までも、ずっと。
やっぱりずるい、好きって言ったくせに、
結局無理とか、最低、馬鹿
「きらい」
どうせ俺のこと忘れてこのあと幸せになるんであろう貴方が。
👑「…つまんないの、せっかく楽しそうだったからのってやったのに。」
相変わらず可愛らしい言葉なんてちっともでない自分に嫌気が差す。全部全部嘘で、
自己防衛のなれ果て。
🍵「…俺なんかに付き合わせてすみません、」
わかってた。遊びなのなんて。
真剣に俺のことを見てくれてるなんて自惚れてはなかったけど、それでも好きで、
👑「…、」
なんなの。それ。
むかつく、俺が言えないのをいいことに。
ひどい、さみしいのは俺ばっかりなのに。
反吐が出るくらい言ってやりたいことはあるけど、俺の馬鹿みたいなプライドはどうやらそれを許してくれないようだし、言ったところで何も変わらないのは知ってる。
👑「…今日荷物まとめて出てくし、バイトもやめる。」
🍵「…え、」
👑「全部は持っていけないだろうから、残ってる俺のものは全部捨てて、」
そう言って淡々と話を進めていく。
🍵「…家、とかは、また今度でいいですよ」
👑「…、っ」
いいのはお前だけなの、
意識してないのはお前だけなの。
鈍感具合に苛立ってきて、最後に嫌な気分にしてやろうと思って。
👑「…襲われたくないなら大人しく出てかしてくれる、?笑」
🍵「…、え、?」
👑「だから、男に襲われたくないなら変な優しさ見せんなって言ってんの。」
🍵「…、?、誰が誰に、?」
👑「…はぁ、?」
ここまでくるともう呆れの領域で
👑「俺に、お前が。」
🍵「…、え?」
「みことさん、え、?なんで俺を、?」
👑「…、っ」
我慢はした。俺にできるだけは。
👑「ぅ、っざ…、(泣」
🍵「ぇ、」
👑「っ、…、ひぐッ、ぐす、っ…」
🍵「ぇ、ちょ…みことさ、」
👑「…っ、゛…、ぅ、ぐす、っ、」
🍵「…、ちょ、とりあえず部屋入りましょ、」
👑「…っ、」
そう言ってから俺を引っ張る手はあたたかくて、引っ叩いてやりたいくらいうざったくて、
👑「…、」
しばらく泣きじゃくって、我ながららしくないことをしてしまったことへの罪悪感が拭えない。
🍵「…、みことさん、」
👑「…、」
これ以上何か話してしまったら全部言ってしまうような気がした。
黙って離れるのがお互い得策だと思った、
🍵「ちょ…まって、。」
👑「っ…、離してっ、」
🍵「無理、」
こんな時だけちょっぴり強引なのもむかついて、
👑「…、俺のこと好きじゃないなら離してよっ、」
🍵「…、は、」
あ、
気づいた時にはもう遅くて、
👑「…っ、や、なんもなi」
🍵「好きじゃないってなんですか、」
「誰がそんなこと言ったんですか、?」
👑「…っ、、」
🍵「…ねえ、みことさん、?」
👑「…、、」
🍵「…答えて、」
ずっと握られていた右腕の痛みは震える貴方の声にかき消されて、
👑「…、抱けもせんやつが好きなの?」
「男の身体見て怖気付いた癖に、」
🍵「…は、?」
👑「…、結局女の子が好きなんでしょ、?」
「大体、俺付き合うとか柄じゃないし、あとぐされなくて気持ちよかったらなんでもいいし、」
「俺のこと好きになってくれる人なんておらんし、。」
🍵「がっ、ッ(歯当」
👑「っ、゛…、ぃ、♡え、」
🍵「ぃ、った…、」
👑「…、へ、、」
🍵「みことさんが好き。」
👑「…は、ぇ…、?」
🍵「…、なんか、勘違いしてたんだと思います、俺も、みことさんも。」
「俺は、みことさんのこと、今も大好きです、」
👑「…、っ、な、ぇ」
🍵「みことさんは、?」
👑「…、」
そんなの、ずるいじゃんか、
👑「おれも、だいすき、」
🍵「、っ、…、」
👑「へ、ちょ…ぃま、?!(照」
🍵「ムードガン無視ですみません、でも、今、みことさんのこと感じたい、」
「だめ、?」
これはおねだりなんかじゃない。
立派な犯罪だ。でも、刑法1125条において、貴方限定で許してしまおう。
👑「ぅ、♡…、え、ーよ。おいで、♡」