ゆっくりすぎるところまで、戻ってしまった2人。半ば強引に目黒が繋がってしまったから。
それに対して、渡辺は怒ってるし、ゆっくり進む約束したし!と思っている。
会えば、色々話すことがある。
仕事の話がほとんどだけど、渡辺のリップクリームの話や、目黒のティッシュのCMの話やいよいよやってくるスタジアムライブの話などなど。
通しリハも済んだ。後は楽しむだけ。
渡辺ー夢がまた1つ叶う。
目黒ースタジアムライブ?
渡辺ーいつかは、立ちたいと思っていたから。
目黒ー早かった?
渡辺ーうん、5年で立てるって思ってなかった。
目黒ーでも、頑張ったからだよ。
渡辺ーうん・・。
目黒ー外野の言葉に振り回されないで?
「グループは好きだけど、国立はまだ早いかな」「先輩グループとは格が違うよ」など耳にする。
恐らく、日産スタジアムだけなら、何も言われないかもしれない。だが、国立は別である。
「あの」国立でライブをする。
渡辺ー俺たちでいいよな?
目黒ーもちろん。
渡辺ー立てるよな?
目黒ーおいで。
強く抱きしめる。
時々、渡辺は弱くなる。
弱い人ではないのに、周りを気にしすぎて、振り回されて。
目黒は、滲んだ涙を舐めて取る。
目黒ー翔太くん、大丈夫。大丈夫。
渡辺ーんっ・・。
目黒ーお風呂入ろう?
渡辺ーやっ、あの、1人で、その。
目黒ー何もしない。
渡辺ーん。
何もしないって言ったでしょと言いたい。
目黒が手で渡辺を洗う。
恥ずかしいのに。赤い顔を両手で隠しじっと耐えている。
渡辺ー目黒、洗うの?
目黒ー湯船に入ってなよ。自分で洗うから。
渡辺ーでも・・。
目黒ー真っ赤だよ?逆上せる。
渡辺ーごめん。
渡辺は湯船の中から、目黒を見ていた。自分と違う男の身体。
目黒の物を見て赤い顔をする。
目黒ーどうした?
渡辺ーな、何でもない。
目黒ー真っ赤。
渡辺ーうるさい。
目黒ー逆上せるよ?
渡辺ー上がる、先に上がる。
シャツと短パンが置いてある。
どう見ても、目黒のシャツだろう。
それを着て短パンを履いて、ソファで水を飲む。
顔の手入れしてひと息ついたころ、目黒が、上がって来た。
渡辺には、分かる、きっと自分でしたんだ。申し訳なく思うけど。怖いものは怖い。
どうしたらいいか分からない。
目黒が、渡辺を見て微笑む。
自分のシャツを着ているのが嬉しいのだ。彼氏のシャツ着てます感満載で、思わず抱き上げた。
渡辺ーな、何?
目黒ー彼氏のシャツ着てますって思って。
渡辺ー自分で用意したくせに。
目黒ー似合う。凄く似合う。
渡辺ーブカブカだけど?
目黒ーそれに、短パンも、ホントに短いから、シャツの下、何も履いてないみたい。
渡辺ーちゃんと履いてますぅ。
めくって見せてすぐ、隠す。
渡辺ー待て、何でお前はスウェットなんだ!
目黒ー俺の短パン姿なんて、誰が見たいの?
渡辺ーじゃ、じゃあ俺は?
目黒ー俺が見たいに決まってる。
渡辺ーくぅ〜。
目黒ー生足綺麗だね。
渡辺ー変態オヤジみたいなこと言うな!
目黒ー♬僕に大切にされてください〜♬
渡辺ーな、何?
目黒ーもう一度、唄おうか?
渡辺ーいや、いい。分かった。
目黒ー大事にする。今まで以上に大事にする。
渡辺ー目黒・・。
目黒ー怖がらないで、無茶なことはしない。ちゃんと準備して進むから、だから・・。
渡辺ーん、分かった。
目黒ースタジアム終わるまで待つ。
渡辺ー国立?
目黒ー日産までは、勘弁して。
ちょっと辛そうな顔を見て、抱きついてキスをする。
何もするつもりはなかったが、キスだけと思ってそっとする。
目黒ーいいの?
渡辺ーキスだけ。
目黒ーいっぱいしていい?
渡辺ーんっ。
シーツの中で何度もキスをする。
痕をつけず、首から鎖骨からボタンを外して胸にも、キス。
最初の頃に戻りキスだけ。
それでも、触れ合えることが嬉しい。