窓の外に広がる街の灯りを見つめながら、華は胸に手を当てた。
そこには、酔った夜に口走ってしまった言葉が、何度もよみがえっていた。
――律さん! 私のこと好きになってよおお‼
「……あれ、本気だったのに」
ぽつりと漏らした声に、頬が熱を帯びる。
あの時はお酒のせいにできた。けれど、今は違う。
お酒に頼らなくても、気持ちはあふれ出しそうになっていた。
(好きで好きで、どうしようもない……)
彼の前では強がって笑ってしまうけれど、胸の奥は不安でいっぱいだった。
律が美咲と話すたびに、心が痛くなる。
その痛みさえも、もう恋だと認めざるを得なかった。
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