藤「二人を見てるとね…小さい頃の僕に似てるなって思うんだ……」
中学生時代─────夏の終わり─────
夕方なのに、辺りはまだ明るくて、日差しが強くて、心地よかった。
初恋はとある同級生の女の子。その子とはよく一緒にいた。遊ぶ時も、帰る時も……。
その頃の僕はまだ幼くてもどかしかった。
“好き”
その一言が難しかった。
そんなある日、女の子が病気にかかっちゃって……。
ガラガラ!!
藤「大丈夫!?病気って……!!」
女「アハハ…大丈夫だよ、」
彼女の笑顔に安心した。
藤「あ、もうこんな時間だ…また明日ね…!」
女「う、うん……また明日……」
でも、次の日、彼女は亡くなった。
癌だったらしい。
僕は彼女と叶いもしない明日を夢見てた……。
後日、お葬式でその子のお母さんにあった。
母「もしかして、涼架くん?」
藤「は、はい…」
母「あの子が教えてくれなかったんだけど、あなたたちって付き合ってたの?」
藤「え?いや…僕は彼女が好きでした。でも、伝えることが出来ないまま、先にいっちゃって…」
母「あの子ね、あなたの事が大好きだった…あなたがあの子の唯一の、生き甲斐で……」
藤「彼女を産んでくださり、ありがとうございました……ッ」
母「こちらこそ、あの子を見つけてくれてありがとう……」
藤「若井…好きならちゃんと伝えないと……いつか、きっと後悔するから……」
若「俺…元貴のこと…ッ、好きぃ……ッ」
藤「よしよし……ッ」
大(はぁ……勢いで逃げてしまったな……こんな感情…初めて…気分悪いな……ッ)
これが苦しい感情なのなら、みんなキツイんだなぁ……ッ。
生きてるだけですごいって、こういうことなんだ……。
コメント
2件
いい(≧∇≦)b
泣ける😢