極寒の遺跡。崩壊寸前の天井、暴走する遺物兵器。
本来なら別部隊が処理するはずの案件だったが、
「効率が悪い」という理由で博士が乱入。
その護衛として隊長が同行していた。
遺跡最深部――
博「ふむ……このコア、予想以上に出力が高い。分解する価値はあるね」
タ(※今回はモブ兵士ポジで遠巻き観測)
タ(いや“あるね”じゃないのよ博士……目の前で暴れてるんだけどあれ)
機械が暴走、砲撃が放たれる。
博「おや」
―――その瞬間。
隊長が一歩前に出る。
隊「下がれ」
轟音。
砲撃を正面から受け止め、片手で弾き逸らす。
タ(化け物が二人いる……)
戦闘は一瞬だった。
隊長が敵の動力部を破壊し、
博士が停止したコアを即座に回収。
だが――
崩落。
天井が砕け、大量の瓦礫が落下。
博「……これは計算外だ」
退路が塞がれる。粉塵。視界ゼロ。
次の瞬間――
博士の腕が強く引かれた。
隊「動くな」
瓦礫の隙間、隊長が壁側へ博士を押し込む。
落石が隊長の背をかすめる。
博「……庇ったのかい? 私を?」
隊「任務対象の損耗は許可されていない」
博「フフ……“対象”ね」
さらに大きな崩落。
反射的に博士が体勢を崩す。
そのまま――
隊長の胸元へ倒れ込む形に。
距離、数センチ。
博「……」
隊「……」
粉塵で視界が霞む。
互いの呼吸だけが近い。
博「心拍数が上がっている。君でも緊張するんだね」
隊「……お前の方だ」
博「観察されていたとは光栄だ」
揺れが再発。
足場が傾き、博士が滑る。
咄嗟に――
隊長が顎を支え、顔を引き寄せる。
結果。
唇が触れるくらいの距離で静止。
タ(※瓦礫の隙間からガチ目撃)
タ(うわ今の不可抗力キス未遂だろ絶対)
博「……」
隊「……」
博「離さないのかい?」
隊「離せば落ちる」
博「合理的だ。実に君らしい」
だが博士は離れない。
むしろ――
博「……なら、このままでも問題ないね?」
隊「……任務中だ」
博「任務効率に支障はない」
隊「……」
数秒の沈黙。
その後、隊長が僅かに顔を逸らす。
隊「……脱出経路を確保する」
博「照れたのかい?」
隊「違う」
博「フフ……」
⸻
数分後、瓦礫を突破し脱出成功。
外で待機していた兵士達が安堵する中――
博士がぽつり。
博「君、さっきの距離でも一切動揺しなかったね」
隊「任務中だ」
博「だが私は興味深かった」
隊「何がだ」
博「もし任務中でなければ、君はどうしたのかなと」
隊「……」
一瞬の沈黙。
隊長が博士の顎に手をかける。
博「……おや?」
隊「今は任務中ではない」
距離が再び縮まる。
博「……記録しても?」
隊「好きにしろ」
―――その直前。
タ「隊長ーー!!報告書サインお願いしまーーす!!」
二人、同時に止まる。
隊「……」
博「……」
タ(やべ)
博士が小さく笑う。
ド「残念。また次の任務で検証しようか」
隊「……ああ」
タ(心の中)
「ひとまずカプ成立かな!」






