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コメント
5件
新作来た! 続き楽しみにしてるね
良いじゃねぇか
暖かい春。
色づき始めた木々を眺めながら
鼻歌交じりに歩き出す。
今日は入学式だ。
「人、増えて来たな」
ふと周りを見れば同じ高校であろう人達が、
二人、三人で横になり歩いている。
そんな光景を見ながら、
私は一人を噛み締めている。
「…友達、できっかなぁ」
昔からの男勝りな性格や口調。
それに合わせて、
無駄に整った容姿や高い身長ときた。
そのせいで 、
同性からは恋愛対象に見られ、異性からは嫉妬の目を向けられる。
正直に言えば半ば諦めている。
「今、何時だっけ」
不安を感じながらもふと思い、スマホの画面の明かりをつけ、時刻を確認する。
[8:35]
「、、、終わった。」
何故かって?
入学式が始まるのは40分からだからだよ。
「…まぁ、走っても間に合わ無いからな、諦めよ」
別に初日に遅刻してはいけないとは決まっていない。
たまにはのんびりするのも悪くないしね。
「…あれ、人が居る」
始業3分前にも関わらず、前に歩いている人が居る。
「あの子、急がないのかな?」
そんな事は 私には関係ないけど、
「一緒に遅刻するのも、悪くは無いね」
現在時刻午前8:58。
完璧な遅刻をかましながらも校門を呑気に潜る。
私の長所は、 他の人の目を気にしないとこだからね。気長に行こう。
そんなことを思いながら、校舎に入る。
体育館をひたすら探してたら、、
「なんだあの人、ずっとキョロキョロしてる。」
あ、そうだ。
体育館までの道を聞こう。
「すみません。」
「…! はい、どうかされましたか?」
「実は道に迷ってしまいまして、体育館は何処にありますか、?」
ん、なんか驚いてる、、
「!!!、貴方もしかして、主席合格の星街さんですか、!」
「…え、あ、はい」
なんで知ってるんだ、?
「もうスピーチの時間になりますよ、事前にお伝えしたいでしょう、!」
あ、
「そうだったぁ、」
「 そうだったぁ、じゃなくて!ついて来てください、あと2分しか無いんですから、」
いや、え、スピーチの内容なんて考えてないんですけど。
いや、ちょ、えぇ、
「急げば良かったぁ、、」