そんなこんなで、その後は特に何事もなく放課後を迎え、私はまたいつものように廃墟へ向かおうとしていたが
「うわ最悪ー、雨降ってんじゃん」
外は土砂降りであり、最悪な事に今日は折りたたみを忘れてしまった
「うーん、こっからレインっちのとこまで
近いし、とりま走るか」
鞄を頭に、私はダッシュで廃墟まで向かった
「最悪、髪崩れたし」
廃墟に着くと、そこにはレインっちはおらず
もぬけの殻だった
「レインっちー。いるー?」
私は持って来ていたタオルで髪や体を軽く拭きながら、廃墟を探索していた
すると、奥から全身が赤いレインコートで包まれ、手には傘を持った男が現れた
「えめちゃおしゃれじゃん。最先端ファッション?」
私がそう言った瞬間、私の目の前は赤一色に染まった
「おつー。レインっち知らない?
ってかそのレインコートめっちゃかわだね」
私がそう挨拶すると、赤い男は身体を折り曲げて私の顔を覗き込んだ
「えめちゃ身体柔らかいじゃん。ウケる」
“ あなた 好き 私 名前 教える ? ”
「えー日本人じゃない感じ?詰んだわー。」
赤い男はよく分からない言語で語ると、ふいに首を傾げた
“ あなた 言葉 わかる ない ? ”
「こういうのって適当に相槌打って良いんだっけ」
私が適当に首を縦へ頷くと、赤い男は自分を指差し
“ 私 ”
次は私を指差す
“ あなた ”
「えこれ言葉教えてる感じ?
えーめっちゃ親切ー。」
その時、私の後ろから腕が伸びて来た
「ねぇ、僕の麗香に触らないでくれる?」
「あ、レインっちじゃん
おつー。」
後ろを振り返ると、そこにはレインっちがおり、私を後ろから抱き寄せていた
「はぁ、君、もうちょっと危機感持った方が良いんじゃない?
ただでさえ怪異に好かれやすいのに、」
「ごめー。レインっちに会いたかったからさ
つい来ちゃった」
「!、そういうとこだよ、」
「?レインっち顔赤くない?
大丈夫そ?」
私がレインっちの顔に触れようとした瞬間、
今度は赤い男に腕を引かれ、抱き寄せられた
“ あなた 彼 近い あなた 私 もの ”
「おい、麗香に触るなよ。
怪異だかなんだか知らないけど、麗香に触るんなら殺して構わないよね?」
“ あなた 彼女 触る ダメ 彼女 私の ”
なんかバチってんだけど、これどうすれば良いんだろ
「ふわっ、」
二人の様子をぼーっと見ていると、睡魔が襲い、私は赤い男の腕の中で意識を手放した
コメント
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今回も話は溺愛があって良いですね👍🏻…投稿頑張ってください!|•'-'•)و✧