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ORVAS本部・ブリーフィング室
戦闘を終えた直後――。
医療班による応急処置を終えた三人は、ORVAS本部のブリーフィング室へ集められていた。
室内は静まり返っている。
照明は落とされ、青白いホログラムだけが空間を淡く照らしていた。
壁面モニターに浮かび上がる文字。
【隊長・畑中浩一 経歴ファイル】
ジュリーが無言で端末を操作すると、若き日の畑中の映像が映し出される。
まだ若い。
だが、その眼光は今と変わらず鋭かった。
ジュリーが静かに口を開く。
「――見ての通り、畑中は新人時代から“化け物級”だった」
「同期は十数人いた。でも、一年もしないうちに全員置き去りにされたわ」
映像には、訓練場で圧倒的な戦闘能力を見せる若き畑中の姿。
他の隊員とは明らかに格が違っていた。
それを見ながら、公太が鼻を鳴らす。
「チッ……今も偉そうだしな」
ぶっきらぼうな言葉。
だがどこか感心も混じっていた。
唯我はモニターを見つめたまま呟く。
「……だが、映像が途中で途切れている」
その言葉に、ジュリーの指が止まった。
空気がわずかに張り詰める。
ジュリーはゆっくり映像を停止させる。
「……ここから先は機密」
「四年前の極秘任務――“オーバードライブ”」
その瞬間、室内の空気がさらに重くなる。
「畑中は、その任務で親友を失った」
「判断ミスだったって言われてる」
「このファイルの空欄は……あの時にできた“穴”よ」
静かな声だった。
だが、その一言には大きな重みがあった。
誰かが小さく息を呑む。
一祟は静かに目を伏せ、手を合わせた。
「……痛ましいことでございます」
その表情には、純粋な哀しみが滲んでいた。
ジュリーはそんな一祟を一瞥し、続ける。
「畑中はね、自分で全部背負うって決めたの」
「だから私たちにも、多くを語らない」
少しだけ目を伏せる。
「……この話、ここだけの秘密にして」
公太は肩をすくめる。
「別に興味ねぇよ」
「俺は強くなるだけだ」
そしてニヤリと笑った。
「最終目標? 畑中ぶっ飛ばす。それだけ」
その言葉に、一瞬だけ空気が和らぐ。
唯我も静かに頷く。
「俺も目的は別にある」
「過去は……畑中自身で清算するべきだろう」
冷静な言葉。
だがその奥には、仲間としての理解もあった。
一祟は柔らかく微笑む。
「畑中さんの重荷が、いつか癒えるといいですね」
その優しい声に、ジュリーはわずかに目を細めた。
――その時だった。
ジュリーがふと何かを思い出したように、端末を握りしめる。
表情が曇る。
「……それと」
「ここからは、私の推測だけど――」
その瞬間。
ブリーフィング室の空気が、再び緊張に包まれた。