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Bこと小野 真理佳が死んだ。

自殺だそう。

睡眠薬の過剰摂取。

今までのツケが回ってきた。

虐められている時はなんだか可哀想に見えた。

けれど真理佳が私たちにどれだけ酷いことをしたか忘れてはいけない。

だが真理佳が人を虐めるようになったのは親の責任だと思っている。

真理佳は小さな頃から虐待に合っていた。

毎日、辛い思いをしていたと知っていた。

なぜなら、彼女は人を虐めているのに関わらず痣が尋常じゃないほどに増えていっているから。

けれど顔に傷はついていない。

それは唯一の証拠を隠す手段だったのだと思う。

私も真理佳に虐められていた。

けれどそれは短期間だった。

小学三年生の一年間だけ。

真理佳は私に興味を無くし他の子へと移っていった。

私はただの繋ぎであって本命は紗季と紗良だ。

最も酷く虐められていた。

中学三年生の冬の事だった。

雪の降る日の事。

隣のクラスの千聖という女子生徒が朝、雪の上で血を流し倒れているのが発見された。

静かでいつも図書館にいた彼女は友人と呼べる人が居なかったはずだ。

なぜ彼女が死んだのか、原因が分からなかった。

けれど彼女が死んで2週間が経ったある日のこと、彼女の遺書が見つかった。

見つけたのは図書館の委員長。

「美しき世界の私の居場所」という本だった。

私は彼女がよくこの本持っていたのを思い出した。

そしてその本を見ることにした。

内容は簡潔に言えば失恋した少女が雪の日屋上から飛び降り死んでしまう話だった。

その少女は遺書を大好きな本に挟んでいた。

憧れたのか、偶然なのか。

失恋した相手は誰なのか。

私は何も知らなかった。

ただ彼女が死んだ時真理佳の元気がとてつもなく無かった気がした。

その後遺書の写真が私の連絡先にも回ってきた。


ー千聖の遺書の引用ー

私はゆうやくんの事が大好きでした。

初恋でした。

けれどそれを中井さんと中野さんに呆気なく潰されてしまいました。

真理挂になら勝てたのに、あのふたりは顔が可愛いというだけでちやほやされています。

羨ましい限りです。

来世こそ私が報われますように。

小野 千聖


真理佳の話がなぜここで出てきたのか分からなかった。

けれど最後の名前でようやく理解した。

千聖と真理佳は双子だ。

千聖が姉で真理佳が妹。

真理佳の親は小さな頃から授業参観には来ていなかった。

なのに真理佳に聞くと親は来てるよと言っていた。

なにかの見栄っ張りなのだと思っていた。

けれどそれは事実だった。

帰り、千聖は親と車に乗ったが真理佳は車に乗せて貰えずに歩いて帰れと言われていたのをちょうど見ていた。

今日の今まで忘れていた。

きっと千聖は優遇されていて真理佳は厳しく育てられたのだろう。

失恋ごときで死ぬなんて真理佳がただただ可哀想だと感じた。

愛という名のいにしえよ

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