テラーノベル
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深夜。ホテルのツインルーム、祐希が寝ていると。
「祐希さん……起きてる……?」
ぼそっと聞こえる声。目を開けるとそこには寝起きの藍。
「どうした?」
「なんか……さみしなってもうて……」
「こいよ」
「……ええの?」
祐希の布団に入り込むとすぐにぴとっと抱きついてきた藍。体温が、呼吸が、鼓動が、全部くっついてくる。
「隣おるだけで、世界ぜんぶあったかなんねん。すごない?祐希さんって」
「お前が甘えてくるたび、俺もそう思ってるよ」
「ほんなら、今夜はずっとこうしてて。離れんといて」
「離れねぇよ」
その低くて落ち着いた声が、藍の胸にじんわり広がっていく。
「ほんまに?朝になっても?」
「朝になっても。それどころか……ずっと」
「……っ、ずっと……?」
「お前が『離れんな』って言うなら、一生でも隣にいる」
耳まで赤くして藍はぎゅうっと抱きしめる腕に力を込めた。祐希の胸に顔をうずめこもった声で囁く。
「……ずっと、俺のもんでおってな」
「安心しろ。俺の心も体も、全部もう藍のものだよ」
「……っ、そんなん言われたら、もっと好きなるやん……」
夜の静けさに溶ける甘い吐息。互いの鼓動が重なり合って、眠りに落ちるまでずっと――
腕の中の温もりを確かめ続けていた。
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