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休日の午後。洗濯物をたたむふたり。祐希のTシャツを手に取った藍がふと止まって――
「……ん」
「どうした?」
「これ……祐希さんのTシャツ……」
「そうだけど?」
「なあ……ちょっとだけ、ぎゅーってしてええ?」
「……は?」
「匂いが……祐希さんの匂いする。好きやねん。安心する」
そう言ってTシャツを抱きしめたまま、藍が頬をすりすり。
「お前……それ、洗濯した後だぞ?」
「それでもええの!落ち着くし……なんか、甘えたなる」
「Tシャツ抱きしめるより、俺を抱きしめろ」
「ん。ほなTシャツごと、祐希さん抱きしめるわ」
「……ほんとずるい。お前の甘え方」
藍が祐希をTシャツごと抱きしめてくる。
そのぬくもりに、祐希のほうがふっと気を抜かれてしまって――
「藍……」
「ん?どしたん、祐希さん」
「俺も……たまには甘えていい?」
「え?」
「お前のこと、ぎゅーってしたい。落ち着くから」
「なんやそれ。めっちゃ可愛いなぁ……」
そう言いながら藍が腕をひろげると、祐希が少し照れた顔でその胸に収まる。
「……おっきい体してんのにこうやって甘えてくるん、ずるいわ」
「お前が先にやったんだろ」
「せやけど!俺の方が抱きしめてもらってんのに……なんか胸いっぱいになる」
「藍の匂いも……好きだから」
「っ……!もうっ、ほんまに……祐希さん、反則や」