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ケイにとって、安座間と過ごした数日は、何もかもが新鮮で刺激的だった。式根島を飛び出してから、劇的に人生が変化したように感じて、表情も柔和になっていた。
目にした光景や、手触りや匂いにも敏感になって、異世界に紛れたつまらない人間ですよと、アルコールを口にして言った台詞を同志達は一斉に拒絶してくれた。
みんなの気持ちが嬉しかった。
特に、安座間は本気で叱ってくれた。
それ以来、ケイは安座間に心を許すようになった。
国民保護サイレンが鳴った時、安座間がニヤリとしたのを見てケイは言った。
「槇村ちゃん遅いよ~、危機管理なってないね」
安座間も頷いていた。
東京都上空に死のオーロラが出現して、随分と時間が経過していた。
テレビ局をジャックした仲間からは、東京独立宣言も出されていた。
最新兵器『方舟』については、安座間からわかりやすく説明を受けた。
人間に本来備わる生命浄化能力。
DNAに組み込まれた第5の塩基Qに反応する、衛星おおすみが持ち帰った御来屋岩由来の電磁パルス。
その化学反応は、研究の失敗から生まれたものだった。
最新鋭戦闘機『卑弥呼』の実用実験中に起きた爆発事故で、研究員7名が一瞬で姿を消した。
俄かには信じ難くとも、記録映像にはその時の光景がしっかりと収められていた。