こんにちは、一ノ瀬。です。今回は類くんが若干可哀想です。(若干の度合いがおかしい)それではどうぞ
治療を受けた司くんだったが、かなり傷が酷いらしく、しばらく意識は戻らないだろうとのことだ。
「ごめんね、司。守れなくって…えむも。でも、大丈夫今から私達がアイツらをぶっ飛ばすから。」
「フフ、寧々も強くなったもんだねぇ」
僕達は、作戦を練るために一旦家に帰ることにした。
「司くんはその間、何も起きないと思うけど、万が一何かあればセカイに連れていくから大丈夫だよ。正直、ここはセカイの存在がバレるよりも、司くんの命の方が大切だからね。」
とKAITOさんがいっていた。
どうやら司くんのことはバーチャルシンガーがみてくれるらしい。まぁもちろん看護師さんには「ああいうプログラムです」といって無理矢理に納得させた。
<類の家>
「それで、犯人は誰かわかったの?」
「あぁ。二酸化炭素を送り込んだやつと、さっきのナイフの男は警察の調べによると、有名な犯罪グループらしい。今までにも殺人を犯したことがあるみたいだ。でも中々捕まえることはできず、今も逃走中だった。犯人は全員で5人らしい。で、その内の2人が今逮捕されたから3人だね。」
「えぇ…結構やばいやつじゃん。で、大人3人と高校生2人だけど、勝つ目星はあるの?」
「本当なら、司くんとえむくんや、着ぐるみさんにも来てもらいたかったが…そんな訳にはいかないからね。寧々ロボとドローンも使おうと思う。あと、爆弾もね。バーチャルシンガーのみんなと相談したら、「アイツらはみんな近距離だって情報があるらしいから遠距離攻撃すればきっと勝てると思うよ。」って言われたんだ。だから、僕達はほぼ操作する感じかな。でも、もしかしたら近距離に持ち込まれる可能性もあるから、鉄の棒を持っていこうと思う。あ、その場合寧々には危険だから逃げてもらうよ?」
「え、私も戦うに決まってんでしょ」
「いや、流石に寧々には近距離は命に関わってくる。僕は少し慣れているから大丈夫だけど。どうしてもっていうなら寧々ロボと一緒に戦うようにしてもらえれば嬉しいかな」
「……わかった。」
「で、場所なんだけど、奴らは○○っていう廃工場を拠点にしてるらしい。」
「うわっ…悪趣味……」
「フフ、僕もそう思うよ。そこはどうやら入り口が狭いらしくてね。最初は僕も警察を呼ぼうと思ったんだけど…大人数で来られると奴らにすぐ気づかれて、また逃げられてしまうと思うから、僕達で仕留めた後に電話しようと思う。」
「……いついくの?」
「こういうのは早い方がいいからねぇ。寧々がいいなら明後日にでも行こうと思うよ。」
「いいよ。私も早く行きたい。」
「じゃあ、明後日決行だね。必要なものは僕が用意するよ。絶対無理はしないでね。」
「わかってる…ていうか、それこっちのセリフだから。」
「おっと、それは失礼。」
「……絶対仇は取るから。待ってて、司、えむ。」
「あぁ、必ず、僕達が…やってみせる」
当日
「よし、必要なものは揃ったかな。準備はいいかい?寧々。」
「うん…。でも、やっぱり…ちょっと怖いな…」
「大丈夫さ。寧々のことは僕が守るよ。それに、バーチャルシンガーのみんなにも伝えたから、本当に命に関わるほどピンチなときはセカイへ逃げ込めばいいさ。」
「うん。わかってる。……さ、いこ。類」
例の廃工場はフェニックスワンダーランドと意外と近かったため、僕達は歩いて向かっていた。歩いてというか、寧々ロボに乗ってだけどね。
「さて、と。着いたみたいだね。まずは音の出ないこのドローンで中の様子を見てみようか。」
僕はドローンを操作して、中の様子を調べた。やはり中には3人の姿が見える。何やら机を囲んで話し合っているようだ。ズームしてみると、机の上には不吉なものがみえる。
______僕達の写真だ。
「やっぱりコイツら、私達のことを狙って…!!」
「あぁ、そうみたいだ。まだ何かしらやるつもりだったみたいだね。」
「類、早くしないと外に出てきちゃうかも。寧々ロボは中での戦闘の方が強いから、なるべく外から操作して中で倒したいんだけど…。」
「そうだね、だとしたら、もう作戦は決行しようか。」
僕は持ってきた機械を用意して、寧々は寧々ロボの準備を始めた。
「そろそろかな。いくよ、寧々。」
「うん。寧々ロボ、いける?」
「ネネ、マカセテクダサイ」
そう言った瞬間、寧々ロボは音を立てずに建物の中に入っていった。
「僕達もできるだけ中の本部に近づくとしようか。」
そう言って僕達も建物の中に入っていった。
______その後ろに、怪しい影が2つ。
「ほほう、あの二人を返り討ちにするとは、やるじゃねぇか。まぁ、いうても一人は囮役だったがな。」
「中でも神代類というやつが優れているらしいな。」
「あぁ、俺がバイクで引き損ねたやつか。」
「そう、だからそいつを…………ん?」
「どうした?なにか問題が……っ!?」
ドガーーーン
「な、なんだ!?何が爆発しやがった!?」
「おい、しっかりしろ!」
「……これは………ふん、あいつらかもな。」
「なに?それはどういうことだ?」
「なぁに、すぐわかることだ。」
その時、寧々ロボが気絶した男の右側にいた男に、パンチを食らわせ、その男は吹っ飛んで気絶した。
「へぇ〜やるじゃねぇか。神代類。」
男がそう言うと、入口の方から類が歩いてきた。
「お前に僕の名前を呼ばれる筋合いはない。」
「よくもそんな生意気な口をきけるもんだな。」
「だって…あと一人でしょう。僕がお前1人倒せないようなやつだと思いますか?」
「……ふぅん。そうかそうか…哀れな奴らだな。警察の調査では、俺らは全員で5人だと思われているようだが…俺ら以外にいないっていう証拠は…あったのか?w」
「えっ…?」
その時だった。
「類っ…!!」
「おっと嬢ちゃん。ここで暴れたらどうなるかわかってるよな?」
寧々が男2人に捕まっていた。
「……っ寧々を離せ。」
「ふん、無理な話だな。まぁいい。本当ならこちらから行こうと思ったが、わざわざ自分達から来てくれるなんてな。」
「がはっ…」
「類!!」
男は僕を殴ってから腕と足を拘束した。
(くそっまさか敵がまだ2人いたなんて…せめて、寧々だけでも…)
ふと、スマホをみた。ただそれだけだったのに、やつらは電話をすると思ったのだろう。すぐさまスマホを僕らから取り上げると、思い切り床に叩きつけた。
パリンっと割れた音がする。
「脱出を試みているのかは知らないが、無駄な抵抗はやめるんだな。」
男達は、寧々と僕をそれぞれ鉄の柱に縛り付けると何かを取りにどこかへ去っていった。
「類…っごめんっ私…後ろにいるの、気づかなくて……っ」
「大丈夫だよ、寧々のせいじゃない。この状況を想定してなかった僕の責任だ。……しかし困ったな。もう、連絡手段も…。」
ドローンだって、外に置いてきた。寧々ロボも、あれだけでかなりのエネルギーを使ったのか、充電切れで停止している。セカイにだってもちろんいけない。このままじゃ…
「さて、お前ら、これから楽しい遊びの始まりだ。」
男3人が戻ってきた。
「…何をするつもり…?」
「気になるか?そうだろう、ならまずは、どちらがこの遊びをするかを決めてくれ。」
嫌な予感がする。ここで寧々にやらせるわけにはいかない。
「僕がやるよ。」
「類っ!?」
「ふぅん、まぁいっか。正直こっちの寧々ちゃん?だっけな、の方が良かったんだが。まぁ始めるぞ。」
「ちょっと類っなんで…!!」
「まぁ見る側も楽しいからな、安心しな。」
そういった瞬間、男は僕の腹を思い切り蹴った。激痛が走る。
「がはっ…!?」
僕が怯んでいるのにもお構い無しに、男達は連続で僕のことを蹴ってきた。呼吸の余地すら与えられない。
「がはっゲホッゲホッ……ッはあっ…」
「類っ!!やめて!!」
寧々が涙目になって暴れている。
男達の足は止まらない。ひたすらに僕を蹴り続ける。僕は連続してくる激痛にひたすら耐えていた。
もう、僕はこのまま蹴り続けられるしかないのかな…
そんな絶望感を感じていたときだった。
「大丈夫かっ!?類!!寧々!!」
「類くーん!寧々ちゃーーん!」
今、聞きたかった声が聞こえた。
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