テラーノベル
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「…へぇ、骨っぽい頭飾り…」
「…ふふ、ふふふ…」
ニヤリと笑うレイラーが、そのままため息をつく。
「…音声機能が備わっていないことが残念ですね。」
執事は、そう呟くレイラーに答える。
「…これも遺物ですからね…」
「このドローンも、どうにかして改造していく、というのがイロニアの役目ですから。」
「…ふふ、確かにそうですね…」
「探求してこそ、イロニアが輝く時_」
「さて、ドローンはこちらに帰還させてくださいな。」
「10分_これだけ見れただけでも、十分ですから。」
「はっ、わかりました。」
「…当主のお姿…よーく覚えておかなくてはなりません。」
___
スタッフの男が言う。
「さて、ご会談の方は終了とさせていただきます。」
彼は、めめやウパパロンほど階級が高い訳では無いが、民衆と上位者を繋ぐ架け橋として、ここで動いている。
「さぁ、民衆の皆様!!」
彼の妙に芝居じみた声が響いた。
2人が、民衆を見下ろした。
「何かお二人にご質問の程は?」
「黒髪のやつが何をするのかわかんねぇんだよ!!」
「リィン・システムはずっと停滞か!?」
「イロニアとの連携はどうなってんだ!!」
「そもそも俺らのことを本当に思ってんのかよ!!!」
民衆は感情を投げつけるように次々と発言する。
魔法陣を作り出す魔法が変わり、少しばかりその声は、互いに聞き取りやすいものになる。
「…」
ウパパロンは唇を噛んだ。
(…どうしてこうも認識に差が生まれてしまう?)
(すぐに実現なんて、無理に決まってるのに。)
めめはすかさず発言する。
「リィン・システムに固執するのも悪いことでは無いと思います。」
「ですが!!」
「自らの力で生きる道を見つけることも考えてみてはいかがでしょうか!」
「何故だ!!何故!!」
「お前もリィン・システムに頼ってんだろ!?説得力がねぇんだよ!!」
めめは少し表情が歪みそうになるが、こらえる。
「持っていようと、持っていなかろうと、同じだと私は思います!!」
「…めめ…」
ウパパロンは、めめが何を考えているのかますます分からなくなる。
「そもそもですが、認識に大きくズレが生じてるんです!」
「はぁ?」
ガヤは一層大きくなる。
今のめめは_ウパパロンにとっては”味方をしてくれている”ようにも映る
だから分からないのだ_
(…思想は、絶対にどこかで違っている)
(けれど自分の思想を無理に押し付けようとはしない…)
(何故…?)
(…いや、思想を押し付けない人はいくらでも居た…のに。)
(そんなレベルじゃない。)
(…思想を…自ら見せようとすらしない…)
「…ウパパロン様も何か仰ったらどうなんです?」
「…そうですね。」
「…私は!どれだけ時間がかかっても…!リィン・システムの問題を解決し!」
「不安を全て解消してみせます!」
「…」
民衆は黙り込む
全員がウパパロンを睨み、1分の沈黙が流れる
ヒソヒソとあちこちから嗤うような声が聞こえたのち
「…本当に信じていいのかよ!!?」
「そう言って何年も待ったぞ!!」
だがすぐに、怒号が飛び交い始めた。
「そこまで!」
芝居じみた口調で、男は民衆を静止する。
「皆様!そんなに簡単に変わるわけないのですから、落ち着いて!」
「さて、会談はこれにて終了とさせていただきます。」
「…チッ」
民衆は不満そうな顔をして、次々と去っていく。
「…ありがとうございます、ファリア様 」
ウパパロンが、そう言って男に礼をする。
_男の名は”ファリア”。
「いえいえ、これが私の役目ですから。」
「お二人とも、どうか気に病まぬよう。」
「…はい。」
「えぇ。」
___
「…ふぅ。」
メイドたちがため息をつく。
「…リィン・システムにみな、これほど囚われているんですね。」
不器用なメイドはひそひそと話す。
「……悪いこととは思いませんけど、なんだか怖いとすら思っちゃいます。」
「思ったとしても口に出したらめめ様に怒られますからね…。」
「どうしましたか?」
「あ!めめ様!」
小柄なメイドが目を輝かせ、めめの元へ駆け寄る。
「…リィン・システムがどれほど影響をもたらしているのか話していたんです。」
「…うへへ…えっと、そうなんです。」
めめに抱きつくメイドが顔を上げる。
「民衆はみな死を心から恐れているってよーく分かりました。 」
「ずっとこういった場に出ていなかったので、知りませんでしたが_」
「…そうですね。」
「民衆は…ウパパロン様に早くしろだとか言ってましたね。」
メイドは頷く。
「…道は違えど、私達も心が痛むほどでした。」
「…あくまで私の疑問なのですが、」
不器用なメイドは聞く。
「何故あの場で、めめ様はウパパロン様の味方をしたのでしょうか?」
めめはその問いに対ししばらくうーん、と考えたのち
「…それは、屋敷に帰ったら話しましょうか。」
「一般の方に聞かれては_困りますからね。」
「…そうですね。」
「…はーい!」
3人は雑談を交わしながら、屋敷へと帰った。
Mist-404
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コメント
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読み終わりました🌷 会談の場面、すごく生々しかったです。特に民衆が「そう言って何年も待ったぞ!!」と怒号を飛ばすところ——待たされる側の諦めと怒りがひしひしと伝わってきました。めめがウパパロンをかばうように民衆と対峙したのも、単なる味方とは違う複雑な立場が伺えて気になります。「屋敷に帰ったら話しましょうか」で一旦区切ったのも、寺島としては続きが気になって仕方ない終わり方でした。この世界の「リィン・システム」への依存と恐怖、じわじわ効いてくる題材ですね。