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ゆらね🎼🍵🍍🌸
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コメント
1件
いやあ、10話おめでとうございます!ここまで来たのもほんとに感慨深いですね…。 今回、らんの「俺が我慢すれば、大丈夫だから」って台詞、すごく胸に来ました。静かな笑顔なのに諦めの色が透けて見えて。いるまが自分自身を重ねて「俺がいるのかと思った」と気づく場面、あの距離感の描き方が本当に巧いなあと。最後になつが現れて、どう転ぶのか気になります。続き、楽しみに読ませていただきますね🌷
※記念すべき(?)2桁話目なんですよ。祝ってください(?)
いるま視点
「気安く分かってないなんて言うなよ!」
そう言うらんの目には涙が溜まっていた。
昨日とは全く違う、拒絶の涙だった。
俺は少し経ってから口を開いた。
「…じゃあそーやって全部自分でやろうとして倒れてんのは、どこのどいつだよ」
らんを真正面に見据えて言う。
「他のメンバーだって…俺だって、苦労してこなかったわけじゃねえ。それに大小はあるけど、そんなこと話してたらキリないだろ。」
俺の声がいつもよりもワントーン下がる。
胸が痛い。
「だから助け合うんじゃねえの。もっと頼れよ、メンバーでも、会社の人でも、…親でも。なんでそんなに全部1人でやろうとする?」
腹ん中がぐらぐら煮詰まっていく。
話すたびに俺の胸はズキズキと痛む。
らんは俺を睨んだまま黙っている。
「なんでそんなに自分で自分を追い詰めるんだ?」
今、俺は、俺が一番聞きたくないことを、らんに言っている。
すると、涙がこぼれ落ちると同時に、らんが言った。
「俺が我慢すれば、大丈夫だから。」
静かに笑みを浮かべながら。
そう言ってらんは家を飛び出した。
俺は呆然として、らんを見送った。
しばらくしてふと我に帰り、慌てて玄関の扉を開けた。
路地を抜け、大通りに出るも、らんの姿は見えない。
いないとわかると、どっと疲れが出て、俺は街路樹を囲う石に腰掛けた。
「くっそ…」
とりあえずスマホを開くと、大量の着信や通知が表示される。
今日は夕方から出勤…大丈夫、今はまだ昼過ぎ。
嫌でも、見ないわけにはいかない。
バイトの連絡に、メッセージアプリで適当に返信を打つ。
そして着信には何十件も同じ番号が連なっていた。
それを見て、俺はため息をつく。
「…返せるわけねえだろ…」
『いるまが持ってて普通のものも、俺は持ってない』
『俺が一番頑張らないといけないって分かってる』
ふと、さっきのらんの言葉を思い出す。
普通…ねえ。
俺もできることなら、ありきたりの普通が欲しい。
俺が持ってるもの?あげられるもんならあげてやるよ。
らんの思うようなもんはなんもねえだろうに…
でも…
『俺が我慢すれば、大丈夫だから』
…俺の目の前に、俺がいるのかと思った。
あれは、静かな、諦めの笑顔だ。
手に取るように分かる。
俺も同じような目をしているから。
らんも、何か隠している。
俺と同じくらい…あるいは、俺以上の。
らんはそれを知って欲しいのだろうか。
俺はもうとっくにらんを探す気が失せていた。
というよりも、気力がなく、脱力感がすごかった。
そこで、しばらくその場にいると。
目の前からよく知る人影が歩いてきた。
「…なつ?」
「よお、いるま。こんなとこで会うなんて珍しいな」
そう言って、君…なつはにかっと笑った。