テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
1,095
1,484
智さんに 片想いしていた甲斐くんですが
本当の片想いの相手は……
はじめましてのCP 4×15 です😂
可愛らしいふたりを どうぞ
とぼとぼと 下を向きながら合宿所に戻る
智さんに 怪我をさせてしまった…
何度も
『仕方ない事故だった』
と チームの皆やスタッフに言われた
でも 自分を責めていないと 息をするのもツラい
はぁ……
「甲斐!」
背後から 名前を呼ばれ振り向く
「あ…宮浦さん…」
どこから走ってきたのか 息があがっている
「一緒に…… 帰っていいか?」
「あ…はい というか 大丈夫ですか?」
「はは 大丈夫 情けないな これぐらいで 息あがってたら」
「そんなこと…」
まさか 追いかけてきたのかな?宮浦さんなら 多少のことで 息は上がらないだろうし…
「よし 一緒に帰ろ」
「はい…」
しばらく 特に会話せず並んで歩く
不思議だな…
宮浦さんが隣に居てくれる
それだけなのに 重い気持ちが少し軽くなる
どうして こんなに安心できるんだろう…
「智さんのこと 気になるな…」
宮浦さんは 独り言のように 呟く
「…はい」
薄れていた 胸の痛みが甦る
「俺は 甲斐に怪我なくて良かったって 思ってるよ」
「み…宮浦さん?」
意外な言葉に 驚く
「冷たい人間と思われるだろうけど 俺は 甲斐が無事でいてくれて ホント良かった」
「そんな…」
自分なんか…と言い返そうとしたけど 彼の言葉の素直さにとどまる
「智さんも 甲斐に怪我して欲しくなくて あんな行動になったんだと思う すごいよな…」
「はい…」
いつも 自分のことを気にかけてくれる智さん 事故の瞬間 名前を呼ばれた記憶が甦る
「それで 俺 決めたんだ」
「え?」
「俺さ 甲斐のことを守りたいんだ 見守るだけじゃなくて 側にいてやりたいって」
優しい笑みをこちらに向けてくれる
胸が ぎゅっとした
宮浦さんが 側にいたいって…うそ…
「あの…えっと…」
「俺は 俺の守り方で 甲斐の側にいたいんだ」
すうっと深呼吸して 自分の前に立ち 目があう
「好きだから」
「え?…あの……その」
す…すきって 言われた?
「ごめん 急に…びっくりするよな こんな帰り道に…」
「いや……びっくりは…してるけど……あの…」
「なんか 一方的に ごめん」
「あ…謝らないでください!」
胸のドキドキが 止まらない
自分で 何が起きているのかわからない
でも……
信じられないぐらい 嬉しい
それは 確かで…
そして
「俺も……宮浦さん…好きです」
涙がにじんでくる
「同じ…好きか…わからないけど…」
ああ…智さん やっぱりそうでした
「それってさ 宮浦のこと 好きなんじゃない?」
自分の中で モヤモヤしていた悩みを 智さんはそう言い当てた
「あ…」
気がつくと 宮浦さんに抱きしめられていた
「俺は こういう好きだよ?」
たくましい腕が 優しく包みこんでくれる
「うん…同じです…」
肩に額をつけて 腕を背中にまわす
「今日の甲斐 見てたら 絶対伝えようって思って…」
「もしかして?」
「はは いざと思ってたら 甲斐の姿 見逃しちゃってさ 走って追いかけてきた」
「それで…」
顔を上げると 汗が額に光っている 柔らかい優しい目線が自分を見つめてくれている
「ありがとう…ございます」
嬉しいのと 恥ずかしいのと
色んな感情が溢れて 熱くて仕方ない顔を隠す
不器用だけど 優しくて 温かい宮浦さん
ずっと憧れていた存在
自分を抱きしめていた腕が緩められて ふと顔をあげる
「甲斐は 笑ってないとな」
頬を優しくなでてくれる手は やっぱり温かい
「はい!」
宮浦さんのために 笑っていよう…こんなに心強い人と一緒に居られたら きっと笑顔でいられる
お互いの思いを確かめた俺たちは
「じゃあ」
合宿所につくと いつも通りに2人それぞれの部屋に別れる
部屋につき ドアを閉めてソファに座る
夢のような時間だった…
「うそじゃ…ないよね?」
唐突の告白に 嬉しさの余韻が幻のように感じる
この思いは 片思いで終わると諦めていた
ただ 少しでも長く近くにいられるように バレーを必死に頑張ってきた
存在を認められたかったから
『好きだから…』
望んでいた言葉なのに 実感のなさに 何度も何度も自分の中で繰り返す
あ〜落ち着かない
とりあえず シャワー浴びよう
すっきりすれば 冷静になれる
うん そうしよ
荷物をどさっと下ろし カバンのスマホをとりだす
え?
宮浦さんから メッセージだ
胸のドキドキがまた甦る
『渡したいものがあるんだけど 部屋に行ってもいい?』
え?宮浦さんが 来るの?
うそ…
いや 動揺している場合じゃない 返信しないと!
え……と……
シャワー浴びたいけど 待たせるのは申し訳ないしな
渡したいもの?何かわからないけど 長くならないよね?
『部屋にいます 大丈夫ですよ』
返信すると すぐ既読がつく
あ…やっぱり待たせてたんだ
『じゃあ お邪魔します』
宮浦さんらしい 丁寧な返信を受け取る
いやいや!いちいち見とれてないで 早く片付けないと!
大急ぎで 練習の荷物を片付け 最後にシューズを収納するため 部屋のドア前まできたタイミングだった
コンコンコン
「は…はい!」
慌てて反射的にドアを開けると 普段着の宮浦さんがいた
わぁ…
時々 見かけていた姿だけど あらためて目の当たりにすると 雰囲気の違いに見とれてしまう
自分でも呆れる
どんだけ好きなんだよ…
「甲斐?なんか すごい見てる?」
「いいいいや!何でもないです!カッコいいなぁって……いや!あの…」
恥ずかしい!!
たぶん 自分は人生で一番真っ赤になってる 熱い!
「ありがとう 甲斐に言われると照れるね」
恥ずかしそうに 下を向く
「あっ…部屋…入ります?」
「いい?急に来ちゃったし まだ片付けあるんならしなよ 」
「大丈夫です!あとシューズだけだし!」
慌てて シューズ用の収納に片付けて 部屋の中へうながす
「甲斐は いつもシューズキレイにしてるよね」
ドアを閉めながら 自分の部屋にいる 宮浦さんの背中に ドキドキしている
「あ…両親から 自分の体の一部なんだから 大事にするように教わったので…」
「いいご両親だね 俺も見習わないと」
「み…宮浦さんも 大事にされてますよ!」
いつも 練習終わりに丁寧に磨いてる姿を見ていた
「なんか…こうやって初めて話すけど 楽しいね」
穏やかな笑顔が こちらを見ている
「僕も…楽しいです…」
そして 幸せすぎです
「あ…甲斐に渡すものあったんだ…」
慌てて ポケットから小さな包みを出す
「もし 付き合えたら 渡そうって考えててさ 自意識過剰だよな」
「そんな!宮浦さん振る人なんていないですよ!」
「甲斐は どこまでも俺のこと喜ばせてくれるね」
笑みを浮かべて 包みから出てきたのは 色鮮やかなミサンガだ
手 だして と言われ 少し震える手をゆっくり差し出す
「ネックレスにしようかと思ったんだけど 好みがあるだろうし
俺 これに願掛けして 叶ったんだ だから甲斐の願いも叶えばいいなって」
そして 手に直接のせてくれる
「ありがとうございます!大事にします!」
嬉しい………
「本当は身に付けるんだろけど プレーするのに気になるから 俺はリュックにつけてた」
「じゃあ 僕も つけます!」
好きな人に プレゼント貰えるって こんなに嬉しいんだ
「喜んで貰えて 安心したぁ…」
「え?」
「正直 プレゼントなんてしたことなくてさ…まだ学生だし わかんなくて」
「宮浦さんから 貰えるプレゼントなら なんでも嬉しいです!」
「あは ありがとう
これからは 甲斐のこといっぱい知って 喜ぶプレゼント考えるよ 甲斐の笑顔みたいから 」
「宮浦さん…」
「ん?甲斐のスマホ 鳴ってない?」
背後から 着信音が聞こえる
「あ…でも…」
「出ていいよ 俺は構わないから」
「ありがとう…ございます」
慌ててスマホを手にとると 画面に智さんの名前
と 智さん!?
「はい!甲斐です 智さん?」
「甲斐? いま…大丈夫?」
「はい!……あ」
宮浦さんに目をやると 笑顔で席外すねと言うと 電話を持つ自分に近づき 耳元で
「智さんとゆっくり話して 俺はいつでもいるから」
と囁いて 宮浦さんが唇に ふわっとキスをしてくれる
「じゃ」
そして 宮浦さんは 片手を軽くあげて 部屋を出ていった
「甲斐?」
智さんの声に ふっと気が緩む
「……あ…どうしよ…」
不意打ちのキスに 声が震える
「どうした?」
「智…さん…ごめんなさい…」
感情の整理ができなくて 涙が滲んできた
「もしかして…誰かいた?宮浦?」
「え?」
「いや…なんか声が聞こえたから 話してたなら 邪魔した?」
「いや ……その……」
帰り道の出来事を説明して 告白されて 思いが叶ったことを報告する
「まじ?そっか!良かったじゃん!…痛っ」
「智さん!大丈夫ですか?」
「…大丈夫 大したことない ごめん 」
声がいつもより弱々しい
それはそうだ あの事故で怪我がないわけがない
「無理しないでください!」
「ありがとう…でも 甲斐が無事で良かった 宮浦に恨まれるところだった」
「そんなこと!」
「はは そっか…なんか安心した 宮浦が居てくれるんなら」
「はい…信じられない…ですけど」
「じゃ 早く治してのろけ話聞かないとな」
「もしかして入院になるんですか?」
「うん…
でも長くはならないから すぐ復帰するし!」
いつでも 心配かけないようにしてくれる 優しい智さん
「俺にできることあったら 言ってください!」
「ありがとう…明日…いい試合しろ いい報告待ってるから」
「はい!」
話したいことは 沢山あったけど 時々 痛みのせい?か途切れる言葉が 痛々しかった
庇ってくれた智さん
そばにいてくれる宮浦さん
自分のことを支えてくれる人たちのためにも 頑張ろう!!
コメント
1件
ああ、このお話…良かったです。智さんに片想いしてたと思ってた甲斐くんが、実は宮浦さんに惹かれてたんだって気づく過程が自然で。事故をきっかけに「守りたい」「側にいたい」って告げる宮浦さんの誠実さ、プレゼントのミサンガに込めた願いまで、全部が優しくてじんわり来ました。最後の智さんからの電話も含めて、温かい余韻が残るお話ですね。