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遅 い で す け ど 、 バ レ ン タ イ ン エ ピ で す 。
桃 赤 、 紫 赤 。
あ ー る 無 。こ れ が 書 き た か っ た ん だ 。
短 い 、 許 し て 、
赤「むぅ、」
頬杖を付き、うつ伏せになっている横顔を眺める。
赤(眠いんかな…)
起きるまで撫で回してやろうかと思ったが、うざがられそうなので辞めておいた。
赤「はぁ〜,」
最近、俺の彼氏が構ってくれない。
忙しい、のかも知れないが、こっちだって傷つく。
例えば、何時も一緒に寝てるのに、朝起きたらもう家に居なかったり。
そう言う時、帰って来るのは大体夜中だし。
素直に「構って」って言っても駄目だし。
何なら偶に甘い匂いする時あるし。
赤(これは浮気、?)
可能性が無いとは言え無い。
大きく溜息を付くと、
紫「ん…」
ゆっくり瞼を開け、俺を見て来た。
赤「…おはよ。」
ぶっきらぼうに言う。
すると、
紫「何でそんな怒っとるん…」
赤(此奴、)
しらばっくれる気か。
浮気は違うとしても構って無い事で怒ってるの分かるだろ、と上目遣いでいるまを睨む。
紫「えぇ、ガチで何?」
心当たり無しの様で。
赤「もう、ゲームするし良いし。」
つんっと拗ねる。
紫「はぁぁ?…やべ、今から家出ねぇと、」
そう言ってばたばたと出掛ける準備を始める。
赤「…ばか、。」
呟くと同時にいるまがリビングに入って来る。
紫「じゃ、俺行くから。」
そう言って早足でドアを潜った。
赤「んでぇ、…」
桃『ありゃりゃ、そりゃ辛いね〜、w』
いるまが家を出て数分後、らんから電話が掛かってきた。
ただ暇だっただけらしいので、ついでに相談に乗ってもらう。
桃『彼氏ってそんな感じなのか〜、』
呑気な事をほざくらん。
少しむかっとするが唯一相談できる相手なので我慢する。
赤「…浮気と思うか?」
躊躇しながら聞く。
桃『ん”〜、まだ何ともじゃない?w』
桃『証拠が有るならまだしも、ねぇ。』
赤「証拠、」
確かに無いかもしれない。
赤「…部屋。」
ぼそっと呟くが、らんはそれを聞き逃さなかったらしい。
桃『何の部屋?』
赤「地獄耳がよ、」
赤「…」
まぁ、此奴になら話しても良いか?と思う。
へらへらしてても信用度は高い。
赤「いるまの部屋。」
するときょとんとした様な声を出す。
桃『うん?』
赤「この頃、ぜってぇ入るなって言われてる部屋があんだよ、」
そう、告げられてからまだ一度も入った事無い。
桃『ぇ〜、怒られちゃうよ?』
そんな事を言っているが、きっと興味があってたまらないだろう。
赤「いるま謝ったら許してくれっかな。」
まぁ優しいし、多分良いだろう。
桃『頑張!何があったか教えてね!』
そう言って電話は切れてしまった。
赤「勝手な奴、」
独り言を言ってから二階に続く階段を登り始めた。
赤「う“〜、」
ドアの前まで来たのは良いものの、開ける勇気は無い。
赤(いくら優しいと言っても怒ったら怖い確率はたけぇよな、)
赤「…うし、」
ふぅ、と息を吐いてノブに手を掛ける。
赤「ん、?」
ガチャガチャ回して見るが、開く感覚は無い。
赤(やっぱ鍵かぁ、)
ま、当然だろう。
それだけ入って欲しく無いものがあると、
赤「…馬鹿らし、寝よ、」
隣にある自分の部屋に入り、布団にダイブする。
赤「何時位に帰ってくっかな〜、」
三時間程寝ようと思い、アラームを五時にセットする。
ピピピッピピピッ
赤「ぅんむう、」
頭上で鳴っているスマホに手を置く。
赤「…」
夕方とは言え、まだ冬なので外は暗かった。
赤(いるま、そろそろ、)
考えていると、下で扉が開く音がする。
紫「ただいま。」
しばらくしているまが俺の部屋に入って来る。
赤「…」
ベッドの上に正座して、無言で見つめる。
紫「…何、朝から怒ってんの?」
その良い様だと心当たりは無いのだろう。
赤「別に。」
ぷいっと横を向く。
すると。
赤「ん“、ぃ”っ、」
唇に柔らかい感触が当たると同時に、小さく痛みが走る。
赤「な、何だよッ、」
鉄の味がする。
噛まれてしまった。
……ん、?
舌を軽く、ゆっくり触る。
紫「何、どしたん。」
不思議な顔をして此方を見る。
赤「…嫌、、って、何で噛む!」
紫「だっていじけてたから。」
何とも無い感じだ。
赤「ん“〜、もう良いッ!」
ぐいぐい扉の方へ押していく。
ばたんと勢い良く扉を閉めると、溜息を付く。
赤(…キス、した時、)
少し、砂糖の様な甘い味がした。
赤「んでぇぇぇぇっ!!!」
桃「うん、笑」
カフェのテーブルに頭から突っ伏し、周りに迷惑が掛から無いくらいの大声を出す。
赤「やっぱぁ、、浮気相手に菓子貰ったんだわぁ、」
甘い味。
もうそれしか無いだろう。
桃「嫌々、腹減って買っただけかもしれないっしょ?ww」
赤「…嫌、」
それは無いだろう。
赤「彼奴甘いもん好かんし、」
進んで食べている所は見た事が無い。
桃「ん〜、黒、、灰色かな、?w」
ちゃらけた感じで言う。
赤「ぅう、」
我ながら情け無い声。
ふっとスマホに目を落とす。
通知はゼロ。
赤(今日も出掛けてんのか、。)
桃「…ねぇ。」
赤「ん。」
適当に返す。
桃「俺にしない?」
赤「は?」
ふざけて言っていると思いきや、案外真面目な顔なので戸惑う。
桃「分かるっしょ?俺にしなって。」
ぐいっと顔が近付いて来る。
赤「ぅ、」
触れそうな距離で止まり、囁く様に話す。
桃「する?キス。」
赤「っ」
何故か迷ってしまう。
おどおどしていると、
ちゅ、
とリップ音が響く。
赤「ッはぁぁぁぁぁっ、?!///」
俺に聞いた意味は?!と顔を顰める。
桃「早い者勝ちですよん、w」
意地悪くにひひっと笑うらん。
赤「…責任は?」
桃「え?」
予想外の言葉だったらしい。
赤「だから!」
赤「責任取れよっ、?!」
自分でも何を言ってるのか分からない。
するとらんは少し間を置いた後、優しく笑った。
桃「良いよ、気が変わったら家においでね。」
これは保険。
いるまが浮気してた時の、俺の逃げ場。
赤(ちょっと好きになったとか、そんなんじゃねぇ、)
そんなんじゃ無い。
少し冷めたコーヒーに口を付け、苦笑いを浮かべた。
紫「は〜ぁ、やっと出来た、」
手元に目を落とし、微笑を浮かべる。
緑「結構掛かったしね、w」
隣ですちも軽快に笑う。
紫「…喜んでくれると良いけどな、w」
緑「喜ぶに決まってるじゃん、こんなに頑張ったんだから。」
ぽん、っと肩に優しく手を置かれる。
紫「、だな、w」
今、俺の部屋には形にもなっていない残骸が転がっている。
紫「帰ったら片付けるか。」
小さな声で呟き、指先に付いている砂糖を舐めた。
コメント
5件
すれ違いかぁ~、 やばいなんか二人共どちらも辛いなぁ、こっちまでなんか感情入って泣きそうだ
コメ失礼です!! めっちゃ好きです🤟🏻💓 すれ違いほんまてぇてぇです👍🏻✨