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また、いつものように花屋でバイトをしている時。
優菜は驚いた。なんとそこに、奏斗も一緒になって働いていたからだ。
「奏斗・・・くん?」
奏斗は陳列棚に花を並べながら、何かをつぶやいている。
「優菜は・・・僕と仲良くならなくても・・・あいつがいるから」
聞き間違いだと思いたかった。しかし、優菜の耳はしっかりとその言葉を聞き取ってしまっていた。
「奏斗くん、そんなところで何してるの?」
奏斗は肩を震わす。まさか、優菜が同じところで働いているとは思わなかったのだろう。
「・・・」
奏斗は絶望のあまり何も言わない。突然、奏斗が口を開く。
「優菜、僕、聞いたんだ」
「え?」
「優菜が、ここで働いてて、ここの先輩とすごく仲がいいって」
奏斗はいつもより低い声に加え、怒りと絶望が混じった表情をしている。優菜はあわてて彼をなだめた。
「違うの、私はただ・・・バイトの仕事を彼から教わってるだけで・・・」
「・・・の割には、バイトの帰り、一緒に帰ったりしてるだろ。誤魔化そうとしても、僕は知ってるから」
優菜は言い返すことができなかった。言い返したくもなかった。
本当に違うの、そう言いたかった。でも、優菜は言葉も出なかった。