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佐野目線
jnt『』
sn「」
看護師さん【】
やっと、仕事が終わり携帯の電話がなった。
パッと画面を見たら見慣れない番号。
出るか迷ったが、何となく嫌な勘がして通話ボタンを押す。
「……はい、どちらですか?」
【吉田仁人さんのお知り合いの方でお間違いないでしょうか?】
その一言で心臓が跳ね上がった。
ドクンドクンと、嫌な音を立てていた。
全力で走り、病院に着いた時にはもう日が落ちかけていた。
どこか、落ち着かない雰囲気の白い廊下に、消毒液の匂い。
「あのッ吉田、吉田仁人って」
看護師さんは少し驚いた顔で対応してくれる。
【吉田さんですね、ご案内します。】
案内された病室の前で、少し息が詰まる。
あぁ、今ドアの向こうにいるんだ。
そう分かっているのに、何故か身体が動かない。
いや、居ると分かっているからかもしれない。
……何やってんだろ。
小さく息を吐く。
そして、静かにドアノブに手を掛ける。
ガチャッ
ベットの上には、包帯や管で繋がれている仁人が、眠っていた。
包帯、点滴。
どれも、医療ドラマでしか見たことの無いものばかり。
「……仁人」
呼んでも返事はなかった。
でも微かに息をしていて、生きているんだという安心感がある。
ゆっくり近づいて、ベットの近くにあった椅子に座る。
いつも、メンバーの中でも1番隣にいるのに。
こんなに遠く感じるのは初めてだった。
「……早く起きろ、お寝坊さんが」
返事なんてあるわけないのに、小さく呟く。
本当は言うつもりだったんだ。
ずっと隠してたこと。
仁人が他の奴の笑ってるの見て、何も言えなくて、
それでも、俺もう限界だよ。
ちゃんと言おうと思ってた。
”好きだ”って。
なのに、神様はいじわるらしい。
数時間後
あの後、医者から呼ばれ告げられた言葉は、あまりにも簡単だった。
【記憶が1部抜けている可能性がある。】
頭が真っ白になるってこういうことを言うんだ、と思った。
【どの程度かは、まだハッキリとは分かっていませんが……】
そんな、説明頭に入ってこなかった。
ただ1つ、頭から離れなかったのは
「…………俺のことも、忘れてるかもしれない。 」
それだけ。
病室に戻ると、なんと仁人が目を覚ましていた。
ゆっくり瞬きしながら、周りをキョロキョロ見渡している。
「……仁人?」
声を、かけると視線がこちらに集中する。
その時、俺の事を見る目でわかった。
……あぁ、俺の事覚えてないなぁ。
胸がぎゅっと締め付けられる。
分かってた、分かってるつもりだった。
でも、いざ目の前にすると、こんなに辛いなんて思ってなかった。
『…………あの、』
仁人が声を出してくれた。
『……僕』
困ってる。怖がってる。
仁人の怖がっている顔を見た瞬間、考えるより先に身体が動いていた。
「……大丈夫。」
仁人の手を握る。
ビクッと震えているのが伝わってくる。
「……無理に思い出さなくていい」
『……え?』
「俺がいる限りは大丈夫。」
そう言った時、仁人の表情が少しだけ緩んだ気がした。
あぁ。
それだけで良かったのに。
『……あの』
仁人が恐る恐る聞いてくる。
『……僕と貴方って……その……』
その先の言葉は何を言われるか何となく分かっていた。
仁人の手を握る力が少し強くなる。
ほんの一瞬だけよくない考えが浮かぶ。
ここで、ほんとの事を言ったら。
まだ俺たちの関係はただの同僚。
それだけの関係。
でも、それを言ってしまったらせっかく掴んだ手を離されるかもしれない。
また、あの距離感。
過度な接触はもちろん、撮影の時なんて見てるだけの距離。
それがずっと嫌だった。
最低だって分かってる。
こんなの、仁人を利用してるのと同じだから。
でも、人間は怖いもので口は勝手に動いた。
「……俺?」
不自然に見えないように笑う。
「俺は……」
その一言で、仁人との関係は全部変わるって分かってた。
でも
「貴方の恋人、彼氏だよ」
佐野さん目線でした👀
次回は吉田さん目線で、書きますねᝰ✍🏻
最近、フォロワーさんが増えてきていてとても嬉しいです👍🏻🎀❕
これからもよろしくお願いします🙇🏻♀️
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コメント
1件
うわあ……これは、重くて切なすぎる……。佐野さん、本当に好きで好きで仕方ないんだなって、痛いほど伝わってきました。「俺は……貴方の恋人、彼氏だよ」って、言っちゃったんだ。嘘だと分かってて、離れたくなくて、その場を繋ぎとめるために口にした言葉。読んでて胸がギュッと締め付けられました。仁人さんの目線がどう切り取られるのか、もう続きが気になって仕方ないです……!