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皆さんこんにちは!!
⚠️注意⚠️
・セカアサ・恋が叶わない人物がいます・少し長いです・92ではなく、人物です
以上が大丈夫な方はぜひ読んでいってください!!
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『ついておらんかったなぁ、高三の担任がアーサー先生じゃないって』
アントニーニョ・ヘルナンデス・カリエドは、この学校では問題視されるような問題児、いや、不良であると言われていた。
ある事件から。
高校1年生、6月。
アントニーニョは初めての高校生活の中でできた友達と飽きるほど遊び、過去の自分が憧れていた高校生に自分がなっていることを密かに誇らしく思っていた。
大切な友達。楽しいひととき。追われる勉強。全てが完璧だった。
だが、その完璧も壊されてしまう。
大切な友達の一人が先輩に暴力を振るわれたそうだ。
その友人は先輩にパシリにされそうになったらしい。それを拒否したら…という話らしい。
それを、アントニーニョは許せなかった。
自分の大切な時間を、自分の大切な友達を。そして、完璧だった時間を、全て顔も知らぬただ数年の差がある年上に壊されたのだ。
なんとなくそんなことする先輩は分かっていた。
だから、廊下で後ろから殴りかかった。
ただ、ただ殴り続けた。
やめろと言われても、周りがどんな目で見ようとも。
その時の記憶も何も残っていないけれど、確かに怒りの感情だけは心の奥にずっと残っている。
その時周りの生徒が先生を呼んだようだ。アントニーニョは先生に取り押さえられ、生徒指導室にすぐ呼ばれた。
そしたらすぐに担任はやってきた。それがアーサー・カークランドと初めて話す時間だった。
彼は怒った。後になって思い返すと正論でしかないことを大人の言うことを受け入れたくない時期のアントニーニョにぶつけ続けた。
もちろん正論なんか聞きたくなかった。だから聞いているようにして、聞いてなかった。
けれど、途中で話し方を変えた。
まるで同い年の友人かのように。
「俺もさ、高校?中学時代?不良だったんだ」
アントニーニョは驚いた。普段は生徒に正しいことを教えるはずの先生が先生らしくないことを言ったんのだから。
「んでさ、お前と同じようなこと沢山したんだよ。そりゃあ沢山暴れたし、その分沢山怒られた。」
『いや、そりゃそうやろ?』
初めて返事をした。
「お前…教師にタメ口でしかも関西弁かよ…。まぁいいか。」
彼は呆れたように、けれどその裏には優しさが詰まっているように笑った。
それを見たアントニーニョは、知らぬ間に心を開いてしまった。
『別にええやろ?関西弁話しやすいやん』
「すまねぇな、俺にはわからん」
『先生も使ってみたらどうなん?1回使うとアカンで』
「おい…しれっと脱線させんな」
その思い出せば思い出すだけしょうもなく感じる会話が、居心地が良くてたまらなかった。
話せば話すだけ楽しかった。
『先生、今度は説教じゃなく話そうや』
「しょうがねぇな、暇だったら話してやるよ」
その言葉が嬉しかった。
だから高校1年生のこの日から毎日先生に話しかけた。
しょうもないことでも、アホらしいことでも、先生はちゃんと受けとって、一緒になって話してくれた。
それが嬉しかったんだろう。気づけばいない時間が寂しいと感じるようになった。
会える時間はできるだけ先生と過ごしたい。
少しづつ、そう思っていった。
『なんや、俺、先生のこと好きになってもうてるやん』
そんな独り言を漏らした。
自分は先生が好きだという自覚をさせるその一言を。
その日から、いや、あの生徒指導からずっと好きになっていたのだ。
そして卒業式、付き合えなくていい。もう会えなくてもいいから、気持ちだけは伝えたい。
走って隣のクラスへ行く。
先生は嬉しそうに、そして少し寂しそうな顔をしながら教卓を撫でていた。
大きな声をかけてこちらに気づつかせる。
『先生!!』
先生がこちらを見る。
驚きながらも、少し嬉しそうに。
「卒業おめでとう。アントニーニョ。」
『ありがとう先生。それでな、』
『先生、好きや。付き合ってくれへん?』
ちゃんと言葉にした。この3年間思っていた気持ちを。そして、ちょっとしたわがままを。