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「なんだ!そいつは!誰の犬だ?」
兄の拓哉はソファに回り、信じられないとばかりの顔でポポを見た
「あら!私の犬よ!ポポっていうの 」
「ペットショップに行くともっと良いのがいるだろう!よりによってこんなヨボヨボの犬を飼うなんて正気か?モグラみたいじゃないか 」
兄の大声にポポは私の腕の中で震えはじめた
「ポポ!あんな人のいう事なんか気にしちゃダメよ!ショッピングモールの美容室でカットしてもらいましょう、そしたらあなたは素敵になるわ 」
私はポポを撫でながら言い聞かせた、兄の大声に怯えてポポがオムツの中でおしっこを漏らしたのがわかった
この子は以前の飼い主の虐待のせいで怯えるとお漏らしをしてしまうのでオムツをしていた
でも私の家では一度もお漏らしをしたことがなかった、要は怯えさせないようにしてあげればいいのだ、私は無言で兄をジロリと睨んだ
その横でクスクス笑って弘美さんが言った
「あら!とっても可愛いじゃない、電話で鈴ちゃんがとってもこの子を可愛がっているようだったから会いたいから連れてきてって私がお願いしたのよ」
ハルがポポに手を伸ばして、よちよち歩きで寄ってきた
私はしゃがんでハルにポポを撫でさせたポポも子供は好きらしく、大人しくしっぽを振っている
「チワワは嫌いなんだ、一度共演した我儘女優が撮影現場にいつも三匹も連れてくるんだけど、うるさくてかなわなかった 」
兄が顔をしかめて言った
「それにソファーに登るのだって、特別な踏み台を置いといてやらないといけないし、一日に50回ぐらいおしっこをするんだぞ」
私は兄の愚痴を聞き流した
「ソファーの踏み台はもう買ったわ、それに50回は大げさよ、せいぜい30回ぐらい 」