この作品はいかがでしたか?
35
この作品はいかがでしたか?
35
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
新学期が始まる4月。
俺、岸優太は桜の花びらが舞い散る通学路を歩いてい
「きっさん!おはよっ!」
突如、後ろからぎゅーっと抱きしめられる。一瞬驚いたけど、すぐに犯人が誰かわかった。後ろを見ると犯人はやっぱり俺の大親友、永瀬廉。
「廉!おはよ〜!」
「今日も好青年やなぁきっさん〜」
そう言って、廉は俺の頭をわしゃわしゃと撫でる。
可愛いなぁ。
「なー!今日も放課後、俺んちでゲームせん??」
いつも廉はこうして俺を遊びに誘ってくれる。
今はオンラインゲームっていう便利な機能がついてるのに、わざわざ誘ってくれるから、めっちゃ嬉しい。
「いいよ!なにやる?」
「そーやなぁ……まあ、考えとくわ〜」
いつも誘われた段階では大体何をやるか決まってない。
ソフト何個か持っていかないとなぁ…
「りょ〜じゃ、いつもの時間な!」
いつもと同じような会話をしていると、俺らが通っているKP大学の前の交差点で親友の平野紫耀と髙橋海人、神宮寺勇太と合流した。「廉、ホント岸くん好きだよね〜」
海人がニヤニヤしながら廉に言う。
「ソンナコトナイヨ」
廉が少しわざとらしく言った。
なんか焦ってんなー。
「や、そうでしょ。今も廉、ちゃっかりきっさんの手、握っちゃってるし」
海人に言われて右手を見ると、ホントだ!
よくやられるから気づかなかった。
「や、違うの!今日も頑張ろって意味っ!!」慌てているせいか、めっちゃ早口で言う。
「きっさん、今日も頑張ろっ!!」
「うん!そーだね!」
廉が少し照れた感じがしたけど、まあいっか。
廉side
海人、もしかして俺の恋心に気付いてる!?
マジで最悪やわあいつ。
昼休みに事情聴取やわ。
とはいえダメだよなぁ。
男同士なんて。
きっさんに告っても多分変な目で見られると思うし……関係壊れちゃいそうだし……何度も言うねんけどだって、男同士やで!?
絶対嫌やん、いくら優しい岸さんでも流石にさぁ。
昼休み
海人を屋上まで呼び出して朝のことを聞く。
「海人さ、気付いてんだろ??」
「あー。やっぱ朝の嘘だったんだぁ」
ニヤニヤしながら言う。
「ニヤニヤすんな!!サイテーやなっ!!」
「やー俺も応援してるよ?いくらBLだってわかっててもさぁ、岸くんならなんも思わないんじゃない??」
海人は岸さんとあまり仲が良くない。だからこうやって岸さん関連のことを聞くとテキトーにもほどがあるむしろ俺の悩みをさらに悩ませるような回答しか来ない。これは俺の悩みの一つでもある。
「おま……ホントきっさん嫌いやな」
「違うもん!そういうんじゃないんだもん!!」
違うんかい。
「じゃあ、なんなん?」
「それは……」
言えないとか言うちゃうんやろなと思っていた時。屋上のドアが開いた。来たのは、紫耀とジンだった。
「あー!いたぁ!探したよ海人ー!」
どうやら海人を探しに来たらしい。なんかやらかしたんか?海人。「今日サークルの会議あったのにサボりやがってよー!先生めっちゃ怒ってたよwwww」
サークルの会議サボるとか幽霊部員やん。
「それなー!「いっつも髙橋はいないよなぁ!サボりか!学園のアイドル名乗ってんじゃねー!!!羨ましいいいいい」見たいなぁwwww」
「紫耀、最後の方盛ったでしょwwww」
盛ってたんかい!変な人がサークル長なのかと思ったわ!!
「俺、学園のアイドルとか名乗ってないよ!?てかそもそも違うよ!?」
「ごめんごめんwwwwで二人でなんの話してたの??」
「やー……ちょっと……」
紫耀にこんな話をしたら自殺行為。絶対に本人にバラされる自信しかない。
「いや、なんでもないから!ね?ほら早く教室戻ろー!」
俺の考えていることを察したのか、海人が紫耀を急かす。
紫耀は動揺しながらも海人に従う。
「あーなるほどねー」
ボソッとジンがつぶやく。
え、なんでわかるん!?
「え!?ぐーじ何!?え!?」
「ジンも実は気付いてるんだよ。応援してるから!じゃーねー!」
こそっと耳打ちして海人は紫耀、ジンと一緒に教室まで帰ってしまった。
「えっええええ!?」
なんで知っとるん!?
4時限目と5時限目の間の休み時間。
海人と神からメールが来た。
どうやら新しくグループLINEを作ったらしい。
一応、グループLINEには紫耀も入っていた。
秘密の話をしようの会!
海人『やっぱいらなかったかなw』
勇太『やーでもさ、廉の恋、応援したいじゃん??』
紫耀『え?なに?え?廉、好きな人いるの!?え!誰!?』
勇太『あー。多分そのうち気づくからとりあえず紫耀は黙ってて。』紫耀『えー!?ジン、今日は冷たいなぁ』
廉 『え、なんやこのチャット名!!』
海人『やっぱ相手にバレないように話するならこういう名前しかないかなーってさ!ね?ジン!』
いや、絶対怪しまれるでこれ!?
勇太『そーなんだよなぁ』
『やっぱりさ、相手が相手だから』
廉 『相手が相手って何!?』
勇太『だって、マジ鈍感中の鈍感じゃん??それも面白い具合にwwww』
廉 『かわいそうに…岸さん…』
あ、言っちゃった!!紫耀がこのグループLINEにいるのに!!
紫耀『え?岸くんなの!?マジか!がんばー!』
廉 『適当やな!』
もっとオプラートに包めっ!!
つーか絶対言うなよっ!?
紫耀『誰にも言わないから許してー!』
ホントやろなぁ!?
海人『なんか今日廉の家で遊ぶんでしょ??』
『告っちゃえば??』
え、急すぎん!?
廉 『唐突!!』
勇太『じゃあ、俺も岸くんから色々聞いておこうかなー』
廉 『え!怖いからやめて…』
勇太『大丈夫、嘘だよ!』
勇太『まあ、頑張れ👍』
まあ、頑張れとは!?
そこで5時限目が始まるチャイムが鳴った。
勇太side
髙橋海人(コチャ)
海人『紫耀の反応面白かったwwww で、どんな感じだった?ジン?』
実はあのグループチャットをやりながら岸くんにあることを聞いていた。
勇太『それがねー紫耀と同じぐらい面白いわ岸くんwwww』
『廉のことどう思ってる?って聞いたらさぁ…』
岸優太(コチャ)
勇太『ねー岸くん?』
優太『え?なにー?』
勇太『廉のことどう思ってる??』
優太『え!?なんで急に!?』
『んー』
『可愛い……』
『かな』
勇太『可愛いwwww』
優太『わっ笑うなよっ!!』
勇太『いやぁ、想像通りの解答だったからw』
優太『え!今までそんなこと言ったことあったっけ……』
勇太『いや、顔に出てるw』
優太『は!?え!?』
勇太『wwww』
さて、本題に入りましょう。
勇太『で、唐突に聞いちゃうけどさ』
『ぶっちゃけ、廉のこと好きでしょ?』
優太『そりゃあ、大親友ですから』
勇太『違う違うwwww』
『恋愛面でwwww』
優太『恋愛面……??』
『だって男同士じゃん……???』
勇太『wwww』
『まあ、そうだよねwwww』
『頑張ってね!岸くん!』
優太『え!?え!?』
髙橋海人(コチャ)
海人『やっぱりwwww』
『岸くん鈍感すぎwwww』
勇太『いやーホントだよね』
『でもあれは向こうが気づいてないだけでもう両思いだよねw』海人『ホントだねwwww』
『廉今日、ちゃんと告白するかなぁ』
勇太『まあ、廉だから逆に様子見するかもwwww』
海人『確かに〜w』
廉side
放課後。
あーどうしよ。海人に告白した方がいいとか言われたけど、いえねー。
いや、頑張れ俺っ!!
うじうじしてたら岸さんが取られちまうで!!
ピンポーン
あ、来た!
俺は玄関のドアを開ける。
「廉、来たよー!」
いつも通り、パーカーにスエットというラフな格好。
可愛いっ!
「きっさぁん!いらっしゃぁい」
ぎゅっ
「いくら家でも恥ずかしいからやめろって!!」
ちょっとキレ気味…??
「怒ってる?」
岸さんは怒らんもんね…??
「いや……怒ってない……けど…… (可愛い……)」
ならよかったぁ!ハグぐらいで怒られたら俺、困っちゃうやん!
「あと、これお菓子な」
中にはポテチとぷっちょが入っていた。
どれも俺の好物や!
「ありがと!」
どうしよう、今言おうかな……今なら雰囲気的に言っても大丈夫そうだけど…
「廉、突っ立ってどうしたの??」
あーでも関係壊したくないしなぁ……
「おーい」
うーん……でも今言わないとなんか言うタイミング失っちゃうかも……
「廉ってば!」
はっ!
めっちゃ考えてたから岸さんの呼びかけに気づかなかったあ…
「ごめん、ちょっと考え事してた」
「お菓子貰ったぐらいで考え事とかあるかよw」
そう言って岸さんはニカッと笑う。
確かにありません。
でも、笑った顔…可愛いんだよなぁ。
「あのさ、きっさん……」
ちゃんと言わなきゃ。
「何??」
……ああああああ
言わなきゃいけないのに、心の準備があ!
「…はよゲームしよっ!!今日はフォトナやろ!!」
言えなかったぁぁぁ(/ _ ; )
バカなんか俺!
好きって言うぐらいで!
他に言うタイミングあるかな……
「おお!いーぜ!(なんか今日の廉、ちょっと変……??)」
優太side
バシューン
「はい、きっさんの負けぇ」
「ああ!!また負けたぁぁ(/ _ ; )」
画面には倒れた俺のアバターと[You lose]の文字。
廉が強すぎるんだよぉ…
そういえば、今日、変なことばっかりだなぁ。
ジンから恋愛面とか変ななメールくるし、なんかしたかな、俺。
「ぷっちょもーらお」
そう言って廉は俺が持ってきたぷっちょに手を伸ばす。
もぐもぐ
モグモグしてる可愛いいい。
あーなんか廉を見てたらほっこりする…
ジンが言ってた恋愛面でってこういう意味だったのかなぁ。
「あのさぁ、きっさん…」
ぷっちょを食べ終えた廉が俺に話かける。
「え!あ、何??」
なんだろ??
「……やっぱなんでもないっ!!」
そう言って廉はそっぽを向いてしまった。
「え、なに?俺に言えないようなことなの!?」
めっちゃ気になるんだけど!?
「や、絶対、きっさんに変な風に思われるっていうか……」
「え、何、どゆこと??」
それ、どんな話!?
「とっ!とにかく!次やろ!」
廉はそう言って俺を急かしてきた。
「そうだな!」
そんなに言いにくいことなのかなぁ。
あんまりしつこく聞くのはかわいそうだから聞くのはやめておこう。
廉side
あー言いたくてもなんか怖くて言えへん…。
恋ってちょっと面倒やなぁ…。
岸さんが帰ったあと。
ジンからメッセージが来た。
神宮寺勇太(コチャ)
勇太『どうだった?』
廉 『何回か言おうか迷ったけど無理やったわ』
勇太『そっかぁ。』
『でも廉ならそうするかもって思ってたけどね』
どういう風に思われてんの俺……。
廉 『んー思いを伝えるって難しいなぁ』
勇太『そのうちできるって』
それホント…??
廉 『そうなんかなぁ』
勇太『とりあえず、秘密の話をしようの会きて!』
廉 『わかった』
ジンに言われるがまま、俺は例のグループLINEに入る。
秘密の話をしようの会!
廉 『ダメやったよ』
海人『あ、フラれた??』
早速ひどいお言葉をいただきましたわ。
廉 『違うわ!!』
最低やほんまに!!
勇太『告れなかった方でしょ』
そうそう、そっち!!
紫耀『えー廉珍しー』
『めっちゃおt……なんでもないです』
勇太『そうだね、乙女だね』
廉 『おと……!!』
乙女ってなんや乙女って!!
紫耀『おい、ジン言うなよぉ!!』
勇太『え、だってホントでしょ』
廉 『そうなん!?おれ、そんな乙女!?』
そんなに言うんだから相当なんやろなあ。
やっぱ距離感おかしいって言われるからかなぁ。
海人『岸くんの前だけではねー』
勇太『そうそう』
あー。岸さんはちょっと他の人よりも距離やばいですね。
それは自覚してます。
紫耀『それな!見ただけでわかるよ』
見ただけ!?それは嘘やと思うけどな。
廉 『そうなんか……』
『でもやっぱり岸さんは俺のこと、そのー恋愛対象として見てへんっていうかー』
友達として見てるというか……
紫耀『また乙女来たー💕』
うっさいわ!
海人『恋する乙女の悩み事だよそれー』
知らん、そんなの!
勇太side
みんなが廉いじりに励んでいる時岸くんからメールが来た。
岸優太(コチャ)
優太『ジンが言ってた意味、わかったかも』
勇太『わかったってあれ?さっきのやつ?』
優太『うん。俺、ホントは廉のこと好きなのかもしれない…』
勇太『だから聞いたじゃんw』
優太『だってからかってるだけだと思ったから…!!!』
俺をなんだと思っているんだよ、岸くん。
勇太『ホントに気づいてなかったんだなーw』
『なんで気づいたの??』
優太『え、なんか、廉とゲームしてたらキュン…みたいな』
語彙力すげー。知ってたけど。
勇太『で、どうするの??』
優太『え?』
勇太『好きって告白する??』
優太『え…… 男同士でこういうのってどうなのかなって…… 思っちゃったり……』
勇太『言うだけ言ってみたら??廉だって…… や、なんでもない』
優太『え?』
あぶねー言っちゃうところだった!!
ま、最初にどっちから告白するか見物だな。
とりあえず、二人にも報告……
俺と海人、紫耀だけのグループLINEがないので俺はあるグループチャット名で新しく作った。
きてぃれんをくっつけさせようの会!
勇太『紫耀!海人!』
海人『え!なにこれ!』
紫耀『そーだぞジン!』
『またなんかグループLINE増えたじゃん!!』
勇太『そーじゃなくて!』
『進展したよ!みんな!』
紫耀『え?』
気づけ、紫耀。
海人『もしかして!(((o(*゚▽゚*)o)))♡』
海人よ、そのもしかしてだぞ!!
勇太『岸くん気づいたよ!!』
海人『👏パチパチパチ』
紫耀『え?え?え?』
海人『岸くんが自分の恋心に気付いたってことでしょ!』
その通りでございますよ!!
さっすが海人!!
紫耀『あーそうゆうことね。ていうかジン、普通に楽しんじゃってるよね??』
勇太『ソンナコトナイ』
海人『あ、楽しんでるわこれ。』
ごめんなさい、半分楽しんでます。
これは話を逸らさねば!!
勇太『二人とも俺が学校でなんて呼ばれてるか知ってる??』
海人『え?何?』
ほらほら、知ってるんでしょ。
紫耀・海人『国民的彼氏……??』
勇太『その通り!』
『必ずや二人の恋を成立させて見せます!!』
海人『おお!なんかカッコいいよ!ジン!!』
ふふん。もっと褒めてくれても良いのだぞ??
紫耀『頑張れー』
勇太『いや、二人も手伝ってよ??』
紫耀『え、なんでぇ(´-`)』
なんでじゃないわ、やるもんはやるんだよ!!
海人『でも、なんか楽しくなりそう!!』