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今日もいつもと変わらずこの街は平和だ。俺の優秀な社員と言い、俺の会社の評価をぐんぐん上げる、俺が一番信用している副社長と言い、俺は今日も幸せだ。
まぁ、俺は昔から運動神経も良かったし、学力もそこそこだったから結構頼み事や悩み事などの相談が多かったんだよなぁ。いや、べ、別に自慢してるわけじゃないからな!?
だから、高校生ぐらいのときになんでも屋とかもやってたんだよな。あとゲームとかもよくやったなぁ。と、俺は昔のことを思い出しながら街を歩いていた。
俺は長谷川遥斗だ。一応だが日本で最も収入額が多い会社の社長である。まぁ、自慢話になってしまうが。だから俺は、生活には困っていない。ま、その全ては俺の優秀な社員と俺が信用している副社長等のおかげだが。そりゃあもちろん俺だって頑張って働いてんだからな。な〜んて昔のことを思い出してたらいつの間にか宴会場のメンバー2人が来てしまった。
「あ、社長〜。待ちましたか?」
「え〜っと、これから宴会場…でいいんだよな?」
「あぁ、そうだよ。もう忘れちまったのか?」
もしかしたらコイツは記憶喪失なのかもしれない。
「じゃ、早速行くか〜。」
と、一応こんな返事をしとけばいいだろう。
で、こいつらは俺の社員と俺の昔からの友達。社員と友達はたくさんいるが、その中でも特に文通している回数が多い者だ。社員の方は島崎。友達の方は大田原だ。2人とも仲が良い。ってことで、今日は俺の社員と友達10人ぐらいで宴をするつもりなんだが…。3人で散歩…的な感じで宴をする所まで向かっている。そんな時、島崎が
「あのぅ、社長…。実は、また寺山が…。」
(うわ。寺山がまた何かしたのか…。)
寺山というのは俺の社員の名前だ。よく商品ぶっ壊して副社長に怒られていた。俺は慌てて励ましの言葉をかけていたのを覚えている。その寺山がまた何かやらかしたようだ。何をしでかしたか聞くと、商品の中で最も値段が高い物を壊してしまったらしい。
それはヤバいな…。ってそれはヤバいなで済むことじゃねーよ!!何を壊したっていうんだ!?俺は怒って何を壊したか聞くと、どうやら俺が開発したコンピューター解析くんを壊してしまったようだ。
まぁ、コンピューター解析くんぐらいなら良かったな。ってまぁ、そんなに良くないんだけどな。
ん?コンピューター解析くんってなんだって?いいだろう。じゃあ説明しよう。コンピューター解析くんとは、俺が開発して俺が名付けた、俺の会社では超シンプルに作れて、性能の良い、絶対に高く売れる商品である!!社員はその事を忘れているようだ。そのことを社員に言うと、ホッとしたように肩を下ろし、少し落ち着いた。
ま、だからといって、何個も壊していいわけではないから、そのことは注意しておこう。
そんな事を話しながら、3人は笑って街を歩いていた。そして大田原が何かを思い出したように俺に話をしてきた。どうやら大田原の社員の一部が、大田原の言う事を他の社員の誰よりも聞くらしい。どうしてか聞くと、昔に大田原が困っているその人達を見つけて助けてあげたことがきっかけだといっていた。そんなことが俺にもあるのかが聞きたいようだ。
ふ〜ん。まぁ、確かにあるな。俺の会社でもそんな事あったよな。そして寺崎もその一人だ。それで島崎がよく俺に文通してきたから俺も返信して、仲良くなったんだよな。で、仲がいいから連れてきた。
って、そんな事を話していたらもう宴会場かよ。やっぱ楽しい時間って早いな。
「じゃ、宴会場に着いたわけだし、こっからはじゃんじゃん楽しもうじゃないか!」
そして俺達は宴会場の中に入り、思う存分楽しんだ。高級な肉に、ワイン。そしてみんなでカラオケをして、自分達の得意なショーをして、自分の人生のことを語り合って楽しんでいたら、もう時間は22時ぐらいとなっていた。俺達は解散することにした。
「じゃあな。」
「またやろうな。」
と、今日は最後まで楽しかった。しかし、家に帰る途中、妙な話を聞いた。
「おい、いいだろ?お前も賛成してたじゃないか。な?今回だけ。ん?あぁ。そこは大丈夫。俺が責任取るから。じゃ、明日の朝な。中央公園の前で待ち合わせだ。だから、大丈夫って何度も言ってるだろ。そんなに怖がるんじゃねぇよ。お前も同感なんだろ?じゃあ、気づかれにくい服装で、汚れてもいい服で来てくれよな。俺はヤツが来たらパパッと殺っちまうから。あぁ、早くアイツを殺って気を晴らしてぇわ。じゃあ、お前は俺がヤツを殺ったら、こっちに来てくれ。じゃあな。」
ん?なんだ?コイツ。人殺しでもするつもりなのか?あと…。コイツ、俺の社員に似てる気もするが。
・・・・・と思ったが、考えるのをやめた。そう深く考えることはない。そうだ。今日はきっと疲れてるんだ。早く家に帰って寝よう。
そして俺は家に帰り、寝た。
そして翌朝。俺はいつも通り3時に起き、白飯とバナナを食べ、歯磨きをして、着替えて、会社に向かう。はずだった。会社へ行く途中、俺は昨日の夜、見つけた男と出くわした。やっぱりコイツは俺の社員だったんだ。と、そこで確信した。そして男が急に話しだした。
「お前、遥斗!!よくも俺たちを地獄へ落としやがったな!!今すぐ謝れ!!」
は?何を言っているんだ、コイツは。俺はその言葉にカチンときた。
「俺が何をした?何も気に食わないことはしていな…。」
だが俺が話をしている途中で、急に男が割り込んで、
「は?気に食わないことをしていないだと?嘘をつくな!!週に2、3回程度しているだろ!!俺達はお前達に言われたことをすべてやっているんだぞ?それなのにお前は、副社長と楽しくお喋りかよ!!俺たちに仕事を押し付けて!!」
その言葉にも俺はカチンとなった。
「は?勘違いするなよ!!俺は副社長と新たなアイデアを考えているんだ!!舐めんなよ!!」
どうやら男はもう我慢ができないようだ。とてもイラ立っている。
「はぁ!?何いってんだよ!もうコイツには我慢できねぇ!!お・も・い・し・ら・せ・て・や・る!!!」
不意に、男の懐からチャリン金属の音がした。その後、男はナイフを取り出した。俺は震えた声で、
「お、おい!!そんなもん使うなっ!!」
なんていっても遅かったようだ。男はすぐにナイフを持って、俺の方へ走ってきた。そして、俺の腹にナイフが刺さった感触がした。あぁ…ケンカで終わっちまった…。そして俺は意識を失った。
ハッと俺は目が覚めた。太陽の光が眩しかった。え?ここは?と思い、俺はあたりを見回した。辺りはまっさらな緑の草原だった。俺はよくわからなくてしばらくの間呆然としていた。そして俺は考えた。ここは草原だ。さっきまでいた街ではない。じゃあ、一体ここはどこなんだ?いや。考えるより調べてみた方がいい。もしかしたら近くに人がいるかもしれない。俺は走り続けた。何時間も。
そこで俺はあることに気づいた。俺の体、軽くなってね?そして体力もさっきより増えている気がする。俺は自分の体をみた。服を着ている。人間だ。そして…。身長からして、15才ぐらいか?若返ってる?どうして?と、思ったが、俺は考えるのをやめた。自分の年齢などは後で考えよう。
それから少したった。そこで俺はあることに気づいた。ここに人はいない。と。いや、もしかしたら街は遠くにあるのかもしれない。と俺は思い、また走ろうとした。だが、もう俺の体力は限界に達していた。俺は少し休んだ。そしてもう一度考えを巡らせた。どうして人がいないのか。どうして街がなくなっているのか。俺は少し考えてみた。さっきまで、っていうかもう何時間もたっているからさっきとは言わないけれども、街にいて、会社に向かってたら俺を恨んでいる社員に出くわして、そしてケンカになって…。そこで俺の記憶が途切れた。なぜかはよく分からないがとにかくそこで記憶が途切れてしまったのだ。俺はひたすら記憶を探った。まるで草をかき分けるように。
俺の社員…ケンカ…ん?あの後チャリンっつー音がしなかったか?それって…。ナイフ?そうだ。俺のことを恨んでいる社員とケンカをして、金属の音ってことだから、間違いない。ということは、ナイフで俺を刺した?あ、記憶がよみがえってきた。そうだ。その後社員が俺を刺したんだ。え?待てよ…。刺した?って言うことは…。
「これってもしかして、異世界転生ぃぃぃぃぃぃぃぃ!?」