テラーノベル
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緑谷出久がパニック障害を患って居ます
それを許せる方だけ見てください
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サイレンの音が遠くで鳴っている。
救急車の中、爆豪は緑谷の手を握ったまま離さなかった。
「意識はあるのか!? オイ!」
だが返事はない。ただ瞳が虚空を見つめ、唇だけがかすかに動いている。
——ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……。
病院に到着し、処置室に運び込まれた緑谷は、医師や看護師が触れるたびに身体をびくつかせた。
点滴の針を刺される瞬間、突然、目を見開く。
そして——視界が一瞬で暗転する。
湿った匂いのする部屋。
小さな頃の自分が、狭い隅に押し込められている。
「お前が悪いんだ」「お前のせいだ」
低く重たい声と一緒に、腕を乱暴に掴まれる感覚。
皮膚が焼けるように熱くなり、声が出ない。
「やめて……」と言っても、笑われるだけ。
そして、その手が離れることはない。
——肩の感覚が、今もずっと残っている。
「やめて……やめてっ!!」
現実の病室で、緑谷は暴れるようにベッドから起き上がる。
モニターが警告音を鳴らし、看護師が慌てて抑える。
だが、その中で——
「触るなッ!!」という叫び声が、誰よりも鋭く響いた。
相澤がすぐに駆け寄り、他のスタッフを下がらせる。
「俺だ。……大丈夫だ」
その声に、緑谷の呼吸は少しずつ落ち着いていく。
だが、その瞳はまだどこか遠くを見ていた。
まるで、あの部屋の中からまだ帰ってこれていないかのように——。
コメント
1件
あの部屋って...まさか...