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月夜の蝙蝠

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月夜の蝙蝠

3 - 第3話 吸血鬼

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2024年07月23日

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俺が襲われた事件は、男が謎の死もあって、しばらく学校や近所で噂になっていた。

その噂もあまり聞かなくなった頃、俺は図書室で勉強をしていた。

「…あれ、さもくんじゃん。」

そう言われ顔を上げると、俺と同じ勉強しに来たのか教科書とノートを持ったべるさんがいた。

「べるさんも勉強?」

「うん、次のテストがあるからね。」

そう言いながらべるさんは俺の隣に座る。

30分ぐらい経った頃、べるさんが急に立ち上がった。

「…ついでに本も借りちゃおうかな。」

「じゃあ俺も借りようかな。」

本棚を見ていると、とある本に目がいった。

「あ、これ…」

「何かいいのあった?」

俺が手にとった本は、『吸血鬼の少女と人間の少年』という本だった。

「…俺が助けてもらった子、なんだか吸血鬼みたいだなって。」

「吸血鬼…?」

「うん、白髪って吸血鬼のイメージあるなって。」

俺がそう言うとべるさんは少し黙ったあと、手にしていた本を持って歩き出した。

「…良い本だね。」

「?」

俺は雰囲気が変わったべるさんに疑問を持ちながら、べるさんの後を追った。

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