テラーノベル
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ふと目が覚めるとすぐそばにセラさんの顔がある
俺はセラさんの腕枕でいつのまにか眠っていたみたい
時計を見るとまだ夕方だ
そんなに時間は経っていない
「ん‥‥起きた?」
「‥‥うん」
セラさんが俺の前髪を弄っている
髪の間に指が撫でると気持ちが良い
気持ち良くて目を瞑ると、鼻先を指で摘まれた
「‥‥ん?」
「ロウは寝てたら良いよ。俺は部屋に戻るね」
「‥‥葛葉さん、見てたのかな」
「多分ね」
胸の内は複雑だ
でもそんな気分を遮る様に扉をノックする音が聞こえた
ノックと共に開けられる扉
そこには葛葉さんがまた立っていた
「随分たっぷりと楽しんだみたいだけど?」
「‥‥‥‥‥‥」
その問いになんと答えれば良いのか
俺達は揃って口を噤んだ
「責めてないよ?全然そうじゃないから。でもさ、なんだか恋人同士みたく見えたから‥‥なに、ここで出会ってお互い一目惚れしちゃったとか?」
「‥‥‥‥‥‥」
セラさんは葛葉さんの言葉を聞きながら洋服を着始める
そんな事も気に留めず、葛葉さんは俺たちに話しかけた
「別にこれからも関係続けたって俺は気にしないよ?」
「葛葉さん、俺達はここにいる限りあなた達の言う事に従うまだなんで、俺たちの事は気にしないで下さい」
「だってこんな事になるの初めてだからさ、面白いじゃん?」
「今まで通り面白がっているのは構いません。でも、もうロウ君の身体は大切にしてあげて下さい」
「へぇ、セラフさんがそこまで言うなんて‥‥やっぱり面白いなぁ。でもそうなら2人でここの家出ていけば?」
「え‥‥?」
何気ない言葉にセラさんが驚く
自発的に出て行くなんて考えていなかったのだろう
でもそうしたら援助が受けられなくなる
セラさんがしたい事ができないなんて俺は嫌だ
「俺が出て行くのでセラさんはここに居させて下さい」
「え?なんでそんな話になってんの?」
「そうだよ。お前らの恋愛の話なのになんで片側だけ出て行くのさ」
俺達が騒いでいると葛葉さんの真後ろから声がした
「なんの話ししてるの?勝手に出て行く話ししてるみたいだけど‥‥」
「お、叶?」
「あ、叶さん‥‥」
葛葉さんの後ろに立った叶さんが、葛葉さんの隣に立つ
葛葉さんが面白そうに俺達の話をし始める
「叶、聞いてよ。この2人いつの間にか出来てたみたいで‥‥だったらもう出してやっても良いんじゃない?」
「勝手は許さないって言ってるじゃん!」
「‥‥叶?」
ピリついた空気が漂う
「僕は今まで見て来た中で1番葛葉に相応しいと思ってセラフを選んだんだ。なに取られて喜んでんだよ」
「いや、俺はセラフさんじゃなくても‥‥」
「そう?でもそれだと僕も困るし」
「は?なんで叶が困るんだよ」
叶さんが俺を見る
そしてまだ裸でシーツに包まっている俺を片腕で抱き寄せた
「こや‥‥」
名前を呼びながらおでこにキスをする
「この子は俺の運命の番だからさ」
「‥‥え?」
「‥‥‥‥‥‥」
驚きの声を出すセラさん
その反対に声も出ない葛葉さん
「俺達‥‥結婚しようと思う」
その言葉を聞いて、今度は俺が言葉を失う番だった
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コメント
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行った?! 予想外なんだけ?!?!しかも かなかな が! やばいなんかニヤけが 待って まじで好きかもしれない...です ニヤけがまだ止まらない この後どうなるかめっちゃ気になります!