テラーノベル
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第81話「サタン出陣、神々の最期」
空が震えた。
サタンが、ついにその玉座から歩みを進めた瞬間、空気が一変する。
神界を覆う雲はすべて黒に染まり、雷鳴が無音で光った。
その存在だけで、世界の理が歪んでいく。
サタン「――秩序も、誇りも、正義も。もはや意味はない」
神の幹部たちは、それぞれ激戦の疲労が極限に達していた。
勝利した者も、深手を負い、力を使い果たしていた。
アテナ「……くっ……まさか……もう来るとは……!」
ポセイドン「動けるかどうかじゃねぇ……やるしかねぇんだよ!」
サタンは無言のまま、空間を踏み抜くように一歩進むと、
彼の背後に闇の魔法陣が浮かび上がる。
その魔法陣から解き放たれたのは――「滅光の波動」。
漆黒と白光が混じり合うそのエネルギーは、神界そのものを薙ぎ払うように広がる。
オーディンが最初に動いた。
オーディン「グングニル……最後の一投だ!」
全ての力を込め、神槍をサタンに投げ放つ!
しかし――
サタン「遅い」
その言葉とともに、空間ごと凍り付き、グングニルは途中で砕け散った。
サタンの掌から放たれた闇光が、オーディンを包み――
彼の体は音もなく消えていった。
ゲズ(見ている)「……オーディン……!」
次に前へ出たのは、アポロン。
アポロン「俺の音が……世界を救うと信じていた!」
光の矢を無数に放ち、音と光の領域でサタンを包囲する。
だが、サタンはただ一言呟いた。
サタン「静まれ」
その瞬間、世界から音が消えた。
アポロンの身体は音とともに空中で分解され、粉のように散った。
アテナ「やめろぉぉぉ!!」
激昂したアテナが突撃する。
マモン戦で傷ついた体を引きずり、剣を振るう。
しかし、サタンの前では、その刃は届かない。
サタン「愚かだ」
サタンの瞳が一瞬輝くと、アテナの剣が砕け、
彼女の体は大地に叩きつけられる。
アテナ「……これが、闇の王か……アダム様……」
その目は、閉じられた。
続けて、ポセイドンとアレスが並び立つ。
ポセイドン「もう一発だけなら……やれる!」
アレス「行くぞ、兄弟!!」
最後の力を振り絞り、二柱の神が合体技を放つ――
《雷海爆焔斬》!
水と雷と炎が合わさり、サタンに直撃――かと思われた。
だが、サタンはその中心に歩みを進めていた。
サタン「所詮、泡沫」
次の瞬間、二人の神の胸に、闇の槍が貫通していた。
サタンは彼らを見下ろす。
サタン「その力――我がものとする」
サタンの手が神々に触れた瞬間、彼らの神力が吸収され、
光とともにその存在が霧散していった。
アレス「く……そ……負け……た……」
ポセイドン「……あとは……任せた……星の英雄たち……」
そして――
アフロディーテ、アルテミスも、最後まで抗いながら倒れた。
ベルゼブブを倒したアフロディーテは、風の刃で反撃するも、
サタンの光速の魔弾に胸を貫かれる。
アルテミスは月光で斬りつけるが、サタンの虚空斬によって影とともに消えた。
こうして、神の幹部たちは全滅した――。
ゲズ、リオン、セレナ、ウカビルは、そのすべてを見ていた。
ゲズ「……全員……やられた……?」
リオン「嘘だろ……あの神々が……!」
セレナ「アポロンも、アテナも……!」
ウカビル「……サタン……あいつは……!」
サタンが最後に空を見上げ、彼らの存在を確かめたように微笑む。
サタン「見ていたか……次は、お前たちだ」
空が崩れ、雷が反転し、神界は静かに崩壊を始める。
次回――
第82話「継がれし加護、星の覚醒」
倒れた神々から、光が星の英雄たちへと流れ込む――
今、希望の継承が始まる!
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