〜数日後 草薙寧々視点〜
寧々「司ッ!!居たッ!?」
司「…いいや、居なかった」
寧々「そんな…っ」
私の友達…弟子?の星乃さんが数日前から姿を消した。一応、天馬家に泊まっていると司が言い訳をし、天馬さんにも説明した。
寧々「どこにいるのかな…星乃さん」
司「学校にも、家にも…思い当たるところは全部探し尽くした。本当に…どこにいるんだ…一歌」
すると、天馬さんが望月さん、日野森さんを連れて走ってきた。
咲希「お兄ちゃん!あいり先輩と朝比奈先輩とあきとくんを今すぐ呼んで!早くッ!!」
司「わ、わかった…!」
慌てた様子で天馬さんが言ったことを私と司が行う。そして数分後
愛莉「えっと…どうしたの?」
咲希「本当のことを、言わなきゃって」
うつむきがちに天馬さんが言った。
司「本当のこと?」
志歩「はい。一歌が感じていた孤独の正体…って言ったほうがいいですね」
天馬さんの言ったことを訂正するように日野森さんが言った。
寧々「教えて。救いたいの。星乃さんを」
穂波「…分かりました」
望月さんが覚悟を決めたような顔をし、頷いた。そして、過去(5,6,14話)のことを何も隠さずに話してくれた。
咲希「…だからね、全部アタシたちのせいなの。…ごめん、なさいッ ポロポロ」
天馬さんが泣きながら謝った。
志歩「…せめて、救ってあげたいんです。一歌のことを。その先がバラバラになってもいい。私達のことを嫌ってもいい。ただ、救いたいんです。一歌が私達のことを救ってくれたように」
一歌視点
ミクが志歩達の様子を見せてくれた。私はそれを見ながらうんざりしていた。
志歩〔…せめて、救ってあげたいんです。一歌のことを。その先がバラバラになってもいい。私達のことを嫌ってもいい。ただ、救いたいんです。一歌が私達のことを救ってくれたように〕
一歌「………遅すぎるよ」
そう言い捨て、立ち上がり、その場を去った。花畑を歩きながら、独り言をつぶやく。
一歌「救いたいとかさ…遅いって。私の異変に気づいてたくせに」
可不「〜〜〜〜〜♪」
可不が歌いながら花を見つめていた。
一歌「…可不」
可不「あ、一歌ちゃん。どうしたの?ミクちゃんは?」
一歌「散歩。ミクはあの子達のこと見てるんじゃない」
志歩達をあの子達と言った。罪悪感もありながら諦めの心もあった。もう、戻れないんだって。救われたくないってそう、思った。