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テラーノベルの小説コンテスト 第3回テノコン 2024年7月1日〜9月30日まで
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登場人物一覧

真島俊(26)…警衛隊西日本方面本部室口班所属隊員候補生 主人公

永野瑛二(26)…警衛隊西日本方面本部室口班所属隊員候補生

沖琉太(23)…警衛隊西日本方面本部室口班所属隊員候補生

上倉翔吾(23)…警衛隊西日本方面本部室口班所属隊員候補生

室口俊信(54)…警衛隊西日本方面本部室口班班長長内貴也(34)…警衛隊西日本方面本部室口班副班長

福浦一生(39)…警衛隊西日本方面本部室口班狙撃主任

小倉通憲(50)…警衛隊西日本方面本部統括


「立てこもり犯は、南原大地28歳 原口達也25歳 いずれも隊員候補生であり、栗岡班所属です」

立てこもりが起きてから1時間後 第2庁舎の会議室では、緊急会議が行われていた。西日本方面本部幹部45人が参加した。

「申し訳ありません」

栗岡班班長の栗岡龍也は、何度も頭を下げた。「隊員候補生が立てこもり事件を起こす、前代未聞だぞ」

中田班班長の中田智が怒鳴った。「すいません」

栗岡はその場で土下座をした。

「もういいだろ。俺らが今しなければいけないのはこいつを責めることじゃない。あの二人を検挙する事だ」

長内が言った。

「俺に楯突く気か?」

「何処をどう見たらそうなるんだよ笑」そう言うと長内は、鼻で笑った。

「おのれー」中田は、長内の胸ぐらを掴んだ。「やんのか?来いや、二度と暴れる事のできねー体にしてやるよ」

「喧嘩はやめんか?」小倉の一言で中田は長内の胸ぐらから手を離した。

「とにかく、早急に彼らを制圧しろ。殺しても構わん、こんな事が最高統括本部にバレたらどうなる事やら」そう言うと小倉は体を震わした。その時、会議室に真島が入ってきた。

「失礼します」

「何しに来た?候補生は、第2宿舎で待機だろ」長内が怒鳴った。

「すいません、ですが1つ提案したい事がありまして」

「どうした?言ってみろ」小倉が言った。

「はい、彼らは候補生です。我々候補生も制圧に参加させて貰えないでしょうか?」

「何を言ってる?お前みたいな野郎が何人集まっても犠牲者が増えるだけだ、下がれ」中田が怒鳴った。

「中田さん、栗岡さんとグルになって、2人をいじめてたんでしょ?」永野が言った。

「な、なんだと?根拠でもあんのか?」中田は冷や汗をかきながらも、怒鳴り続けた。

「候補生達の関係性を甘く見てもらっちゃー困るぜ笑」そう言うと永野は、自分のスマホを提出した。

「そこに、中田さんと栗岡さんがしてきた事が全て写ってます」永野が言うと小倉は、急いでスマホを手に取った。そこには、泥水を飲まされたり、何度も殴られたり、灯油を被せたり色んな映像があった。

「恐らく、彼らは中田班長と栗岡班長に謝罪を求めてるんじゃないんでしょうか?」沖が言った。その時無線が入った。

「室口班狙撃部準備完了しました」

「岡田班狙撃部準備完了」

「中田班狙撃部準備完了」……次々に班からの準備完了との無線が入ってきた。どうやら、幹部らは、南原と原口を射殺するつもりらしい。「まさか射殺する気か?おもしれぇな笑 不祥事が起きれば被害者ごともみ消すのか?」上倉が静かに言った。

「狙撃員達には、外れてもらい機動員達を代わりに配置しましょう」室口が提案した。

「そ、そうだな」小倉は、無線機を握ると狙撃員達に退避の命令を入れ、機動員達に出動命令を出した。

「てことで俺ら候補生も出動させて貰えます?」永野が聞いた。

「お前ら候補生は、まだ制圧訓練を受けていない、俺の指示に従って行動しろ」そう言うと室口は、静かに会議室から出ていった。午後3時室口は、候補生をふくめた班のメンバーをグラウンドに集合させた。

「これから南原、原口候補生の制圧に向かう。今回は無傷での確保を目指す。この2人は、ある上司から酷いいじめにあっていた、候補生の抱えてる問題は、同期の候補生が解決する。よって、南原、原口を取り押さえるのは、真島、永野、沖、上倉この4人を中心に行う、それ以外のメンバーは補佐役として任務を遂行してくれ」室口からの指示が終わると、隊員達は出動装備を装着し始めた。

「お前ら何かあったらすぐに近くにいる正式隊員に助けを求めろ。いいな?」長内に言われ4人は敬礼した。午後3時10分室口班は、屋上から庁舎内に侵入した。侵入が完了すると南原達の捜索を開始した。真島は、沖と共に4階の捜索を行っていた。

「何か暗いな」沖が呟いた。

「当たり前だろ、停電してんだから」真島に言われ沖はなるほどと言わんばかりの表情を見せた。その時だった、前方から銃声が響いた。真島達は直ぐに近くの柱に隠れた。

「沖、俺が囮になる、その間にお前は、非常階段を使って彼の後方に回れ」

「お、おう」沖は急いで近くの非常階段に向かった。

「撃つのはやめろ」

「何だ?お前は?」

「室口班所属の隊員候補生の真島だ、お前らの事は永野から聞いた。辛かったろ?」

「辛い?そんなんで片付けれるもんじゃねーよ」

「名前聞いていいか?」

「原口だ」

「銃を下ろして、話し合おう」

「何を話し合うんだ?俺と南原さんは、毎日毎日あの2人に半殺しされ続けた、時には全裸にされてそれをネットに拡散されそうにもなった。もうボロボロだ」そう言うと原口の目からは涙が流れてきた。

「俺はただ人を守りたくて入隊したのに、なんで、なんで俺がこんな目にあわねーといけねーんだよ」原口は、涙を拭いながら叫んだ。その時、原口の後方に沖が到着した。

「まだ待機だ」真島は沖に無線を入れると、盾を静かに下に置いた。

「俺達はお前らを責めに来たのでは無い、同じ同期として助けに来た。」

「嘘つけよ。俺を南原さんを制圧しに来たんだろ」原口が怒鳴った。すると真島はポケットから隊専用のスマホを取り出しどこかに電話をかけた。

「俺だ、決行してくれ」そう言うと真島は電話を切った。

「何だ?決行?」原口は混乱しながら、聞いた。数分後何やら外が騒がしくなってきた。原口は真島に銃口を向けつつ外に目をやっ た。そこには目を疑う光景が広がっていた。

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