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90 - 第86話「サタン始動、神々の遺志を超えて」

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2025年05月31日

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第86話「サタン始動、神々の遺志を超えて」
闇の世界の中心――

全てを見下ろす黒き玉座がそびえ立つ城、「終焉城グラナ=ネメシス」。


その城の最上層。

王として、そして絶対者として、サタンが玉座に腰掛けていた。


その視線の先――

闇の荒野を切り裂くようにして、4つの光が進む。


ゲズ「……ここが、あいつの居場所か」


セレナ「兄さん……この場所で、あなたの仇を取る」


リオン「全部終わらせてやる、光も闇も……その先に未来を創る」


ウカビル「誰にも背負わせねえよ……この命、最後まで燃やし尽くす!」


城門の前に辿り着いたその時、巨大な闇の魔法陣が発動する。


すると――空間が歪み、サタン自身が、彼らの目の前に降臨した。


◇ ◇ ◇


サタン「ようこそ、余の世界へ」


漆黒のマントを翻し、玉座の影から現れるサタン。

彼は、星の英雄たちを嘲笑うことも、怒ることもなかった。

ただ、静かに――その瞳には、深い“諦念”が宿っていた。


サタン「かつて、我も光の側に立っていた。神々と共に、秩序を守っていた存在であった」


ゲズ「……なに?」


サタン「だが、世界というものは矛盾している。光があれば闇が生まれ、秩序があれば破壊が芽吹く。

ならば、最初から“絶対なる闇”で全てを覆い、変化すらない永遠を創るべきだと、余は考えた」


セレナ「そんなのは……ただの支配だ!」


リオン「お前がやってるのは、理屈をつけた破壊だ!」


ウカビル「神々を殺しておいて……それが正義かよ!!」


サタンは彼らの怒りに一切動じず、逆にこう返す。


サタン「神々は、死してようやくお前たちに“加護”を与えることができた。

ならば最初から、命ではなく力だけを継がせるほうが正しかったのではないか?」


言葉の裏にあるのは、“哀れみ”にも似た感情。


だが、ゲズは真っ直ぐに言い放った。


ゲズ「お前がどれだけ理屈を並べようと、神々は俺たちに“命”をくれたんだ。

……それを裏切ったお前に、未来を語る資格はない!」


サタンの瞳が僅かに細まる。


サタン「……そうか。ならば、見せてみよ。命を受け継ぐ者たちの“力”を」


次の瞬間――

サタンの背後に現れる巨大な闇の翼。地が裂け、空が泣く。


そして、サタンの手が上がる。


サタン「ここからが余の“審判”だ。抗い、生き残ってみせよ――星の英雄たちよ」


四人の英雄は、一斉に構えを取る。

恐れは、もうない。

迷いも、ない。


それぞれの“想い”と“加護”を胸に、彼らは運命へと立ち向かう。


――最終決戦、開幕。


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