コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
第86話「サタン始動、神々の遺志を超えて」
闇の世界の中心――
全てを見下ろす黒き玉座がそびえ立つ城、「終焉城グラナ=ネメシス」。
その城の最上層。
王として、そして絶対者として、サタンが玉座に腰掛けていた。
その視線の先――
闇の荒野を切り裂くようにして、4つの光が進む。
ゲズ「……ここが、あいつの居場所か」
セレナ「兄さん……この場所で、あなたの仇を取る」
リオン「全部終わらせてやる、光も闇も……その先に未来を創る」
ウカビル「誰にも背負わせねえよ……この命、最後まで燃やし尽くす!」
城門の前に辿り着いたその時、巨大な闇の魔法陣が発動する。
すると――空間が歪み、サタン自身が、彼らの目の前に降臨した。
◇ ◇ ◇
サタン「ようこそ、余の世界へ」
漆黒のマントを翻し、玉座の影から現れるサタン。
彼は、星の英雄たちを嘲笑うことも、怒ることもなかった。
ただ、静かに――その瞳には、深い“諦念”が宿っていた。
サタン「かつて、我も光の側に立っていた。神々と共に、秩序を守っていた存在であった」
ゲズ「……なに?」
サタン「だが、世界というものは矛盾している。光があれば闇が生まれ、秩序があれば破壊が芽吹く。
ならば、最初から“絶対なる闇”で全てを覆い、変化すらない永遠を創るべきだと、余は考えた」
セレナ「そんなのは……ただの支配だ!」
リオン「お前がやってるのは、理屈をつけた破壊だ!」
ウカビル「神々を殺しておいて……それが正義かよ!!」
サタンは彼らの怒りに一切動じず、逆にこう返す。
サタン「神々は、死してようやくお前たちに“加護”を与えることができた。
ならば最初から、命ではなく力だけを継がせるほうが正しかったのではないか?」
言葉の裏にあるのは、“哀れみ”にも似た感情。
だが、ゲズは真っ直ぐに言い放った。
ゲズ「お前がどれだけ理屈を並べようと、神々は俺たちに“命”をくれたんだ。
……それを裏切ったお前に、未来を語る資格はない!」
サタンの瞳が僅かに細まる。
サタン「……そうか。ならば、見せてみよ。命を受け継ぐ者たちの“力”を」
次の瞬間――
サタンの背後に現れる巨大な闇の翼。地が裂け、空が泣く。
そして、サタンの手が上がる。
サタン「ここからが余の“審判”だ。抗い、生き残ってみせよ――星の英雄たちよ」
四人の英雄は、一斉に構えを取る。
恐れは、もうない。
迷いも、ない。
それぞれの“想い”と“加護”を胸に、彼らは運命へと立ち向かう。
――最終決戦、開幕。