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私の宝物さがし。
誰にでもさ、人生の生き甲斐ってあるよね。
でも生き甲斐があるのに、それが生き甲斐だと気付かない人も居る。
__そのような人が、私だ。
私の人生で1番の宝物ってなんだろう。
物じゃなくて良い、人でもいい。
何かないのかな。
・・・そう考えながら、夜11時
清波心彩(しば こころ)、
高校1年生は、
布団の中で思考を巡らせていた。
私の「宝物」ってなんだろう・・・?
「ジリリリリ・・・」
目覚ましの五月蝿い音で目が覚める。
考えてる間に寝てしまっていたらしい。
もう朝だ。
「面倒くさいなあ・・・。
ってか、今日、シャトルランじゃん」
・・・いきなりだが、閃いた。
シャトルランのやる気を出す方法を見い出せば、いいのだ。
・・・と言ってもやる気を出す方法って。
あ、そうだ。生き甲斐な事をすればいいんだ。
・・・って、昨日そのことを考えてたんだ。
食事でもないし、昼寝でもないし、話が好きな訳でもないし・・・。
「ドンドンッ!」
ドアが強くノックされる。
「ちょっと、もう朝だよ〜!
そろそろ起きんとお母さんに怒られるけん、 早く起きい。」
・・・この声は2歳年上の、
清波 紬(しば つむぎ)。
出身は神奈川なのに、何故か博多弁のお姉ちゃんだ。
「もう起きてるって〜!」
そう言いドアをバン、と開けリビングへ走っていく。
ヘアセット間に合うかな。
「ちょっと、危ないけん歩き〜っ! 」
そう言い大声で追いかけてくる。
お姉ちゃんも走ってるじゃん。
「別に転ばないし大丈夫でしょっ!」
そう言いリビングの席に座る。
・・・今日の朝ごはんは目玉焼きだ。
朝はあんまり食べない主義なのでこれで十分・・・、と言いたいところだが今日はシャトルランあるので、食パン二枚追加。
「この家結構古いんやから、
心彩のせいで床抜けるけんっ!」
・・・なんだそれ。私を重いって言ってる・・・?
妙に腹が立つが、一回自分の突っ走る気持ち抑える。
「はいはい・・・。」
そう言い朝ご飯を食べる。
お姉ちゃん、本当に私より歳上なのか信じられない。
「ふうっ、満腹満腹…。」
朝ご飯を食べ終わり、ヘアセットを洗面台に行く。
前髪を巻いて、後ろの毛はストレート・・・
そしてハーフアップで結んだら、
セットは終わり。
学校では清楚で可愛いキャラやってるのだ。
制服のリボンをしっかり閉めて、ボタンは全締め。
うちの学校はたまに抜き打ちで服装検査みたいなのある。
だから私はスカートは長いし、ボタンも閉める。
スカートの丈を短くするなんて勇気のあること、私には出来やしない。
「いってきま〜すっ!」
そう言い、足早に家を出る。
・・・バタン。
私は家を出ると開放感で心が満たされた。
空は青くて綺麗だし、雲もゆっくり動いてる。
太陽はキラリと輝いてるし、朝早くだから小鳥の鳴く声。
ヒューッと、丁度良いくらいのそよ風。
近所の人がベランダの戸を開け、
洗濯物を干し始める音。
全てが綺麗で、新鮮で。
何気ない日々の景色と環境音に風。
私の心はそれで沢山満たされる。
__あれ、もしかしてこれが
私の「宝物」なのかな。
何気ない日々と何気ない音、
そんなささやかな幸せが私を
活かしてくれるのかな・・・。