コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
あの時とは、全然違う人みたいなんだけど……。
お弁当を食べる手を止め、記者からの質問にも流暢に答える姿に釘付けになっていると、ふと傍らに置いていたスマホが着信を知らせた。
「あっ、お父さん」
電話に出ると、開口一番に、
「今、貴仁君の会見をやっているんだが、見れるか?」
と、声が飛んできた。
「うん、ちょっと早めに昼休憩にしてもらったから、見てるけど……」
「けど、なんだ?」
父からの問いかけに、「別人みたいで」と、本音がこぼれた。
「別人? 私も貴仁君には会ったことはあるが、彼はいつもああいう感じだがな」
「そう……なの?」私との顔合わせの際には、あまりにぶっきらぼうなイメージしかなかったこともあり、すぐには父の言葉が信じられなかった。