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テラーノベル(Teller Novel)
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⚠︎ オリキャラ 男夢主

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俺たちはヒーローじゃない。

人から貰う善も、悪意も、いちいち気にしてられる程、暇でもない。

…なのにさぁ。


『なんで関わらせようとすんのかね、(笑)』

何やら中庭で騒いでいる人の塊を上から眺めて、嘲笑うように笑ってみせる。

出会った人と仲良く。世間の子どもとなにも変わらない、青春を。

……なんて、そんな理想を語っては周りをまた、巻き込んで。


そんな理想は、お前の幻想にすぎない、ともう知っているはずなのに。それでも語り続けるあんたに、

『……馬鹿みてぇ。』


呆れ疲れたよ。



>>>>>


_ザワザワ


「おぉ〜、坊じゃないか〜!」

空中を彷徨っていた手が俺の肩に触れる。……最悪。まじで。

『…飲み過ぎですよ、叔父様。』

「あぁ?老けたって?」

面倒だな、この酔っぱらい。

「…大きくなったなぁ、坊。」

『……。』

眩しそうに俺を見つめる視線に、少しの違和感を覚える。それを口にすれば、また面倒になると気付きながら、俺は言葉に耳を傾ける。


「坊は当主様に向いてると思うんだけどなぁ…。」

反対する奴なんかいないぜ?と、ひとつ背中を叩かれる。

…。

『俺のは家系の術式じゃないので。それに無理ですよ、俺。』

「またまた〜!」

だから無理っつってんだろ。人の話聞けよ。

「…もし、な。この家を少しでも継ぎたいって思ったら!」

……。

「言ってくれ。坊。」

そう、俺のことは見ずに、向こうで盛り上がっている現当主を見て言うのを確認して。

また少し、

身体が重くなったように感じた。



>>>>>


誘いを断り、部屋を出る。一歩出るだけで、こんなにも静かなのか、と呆気に取られる。

そのまま、行く宛もないまま、少しでも遠くに向かって歩き出した。



しばらく歩くと、影のある路地を見つけた。そこに向い、壁に沿って寄りかかる。

『…』

『…ぁ“ー…、』

喉からそんな声を出し、ズルズルと座り込む。

気分を変えるように頭を掻きむしった。

…。

“ 言ってくれ。 ” だって。本当に言ったら、今の当主候補の人はどうなんのかな。…消されたりして。

『……はは。(笑)』

気持ち悪いなぁ。

自然と、首に置いてある指に力が入る。やがて小さな音を立てて、

破れた。



「何してんのよ!!」


『……え…』

手首を掴まれて、思い切り引っ張られたと思ったら、焦っているように叫ばれた。

「あ〜も〜…、血が出てるじゃない…!」

女はそう言い、出したハンカチで俺の指に付いた血を拭う。その力は少し強かった。

…、?

高専の制服、?茶髪…、おかっぱ、……見た事ねぇ…ってことは、一年、

「…わ、ちょ…首の血すごいわよ!?」

グン、と距離を詰められる。視線は項に集中していた。

……あ。

「どんだけ強く引っ掻いたのよ〜…、」

垂れた血をすくい取るように、丁寧に。俺が何処の誰かも知らずに。

…うん。


嫌いだなー、この女。

一センチにも満たない距離にいるのを肌で感じながら、そんなことを思う。俺は優しいから、口には出さない。

…なんか、こーゆう、自分のしている行動を理解できないような…、

「…、?…あんた、」

女の見えない死角から、その女と同じように、相手の項に手を近づける。

自分の危険も、分からない。そんな奴。

『……。』



大っ嫌い。



バシッ_!!


『…、…』

音が鳴って、自分の手に熱を感じて。

『……久しぶりだね。』

状況を察して、すぐに取り繕う。


『恵くん。』

「…ッッあんた、釘崎に何しようと…!!」

釘崎、と呼ばれたさっきの女は、いつの間にか恵の背後にいた。そしてひたすら、恵を凝視している。

…。

『……何の事?』

空気を悪くしないように、笑顔のまま問いかける。

「…!!」

恵は俺を見て、戦闘体勢をとった。…うわぁ。

『……やだなぁ。俺、恵くんと闘う気ぃないよ?』

ね?と釘崎という奴のために、落ち着かせる。


「…釘崎、戻るぞ。」

そう、女に目線もやらず、淡々と聞く。

「…ぇ、えぇ。」

多分、状況を飲み込めていない女は、勢いのまま恵の問いかけに答えた。

『駄目だよ恵くん。女の人をエスコートする時は目、見なきゃ。』

「あんたは黙っててくださいよ_!」

…。

『……あ、そう?』

笑顔のまま、恵の話に付き合ってやる。俺に視線を寄越した女に、俺も視線を移す。

『ばいばい。釘崎ちゃん。』

「…ぁ」

「釘崎、行くぞ。」

恵は女の腕を少し乱暴に引き、女が俺を見ているにも関わらず連れて行った。

俺は女が戻って来ないように、軽く手を振り続けた。……怠いな。



結局、二人の姿が見えなくなるまで、俺は軽く手を振っていた。

……あの女が、何度もこっちを振り向くせいだ。

…。

『相変わらずだなぁ…恵くんも、』

…、?

ふと、足に異変を感じて下を見る。

真っ赤に染まったハンカチが、俺の足に掛かっていた。


『……最悪、』

それを拾って、途方に暮れた。






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好評なら、続きあり。

別の作品の続き出す代わりに作りました←お許しを


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