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『バレンタインまであと5日。』
tg視点
放課後。
俺――ちぐさは、机に小さな箱を置いて唸っていた。
「……味」
見た目は、前よりいい。
つやもある。
テンパリングも、たぶん成功。
(でも……味は、確認しないとだよね)
自分で食べる?
——いや、偏る。
(第三者の意見……)
そのとき。
「ちぐ、何それ?」
クラスメイトの声がして、びくっと肩が跳ねた。
「な、なにもない!」
「え、チョコ?」
「ちが……ちがくはないけど!」
数秒の沈黙。
「……味見、してほしいとか?」
図星すぎて、固まる。
「い、いいの?」
「いいよいいよ。どうせバレンタイン近いし」
(やば……助かった……)
一方その頃。
「……なんやあれ」
教室の入口で立ち止まったまま、
ぷりっつは光景を見ていた。
ちぐが、
誰かに小さなチョコを渡してる。
(……は?)
胸の奥が、きゅっとなる。
(試食?いや、でも……)
勝手に心拍数が上がる。
(俺には、まだやのに)
数分後。
「……どう?」
ちぐは、息を詰めて聞いた。
「うん、普通においしい!」
「ほんと!?」
「甘さもちょうどいいし。 市販って言われても信じる」
「……よかった……!」
思わず、両手を握る。
(方向性、間違ってなかった……!)
その瞬間。
「ちぐ」
低めの声。
「……ぷりちゃん!?」
振り向くと、
腕を組んだぷりっつが立っていた。
「何してん」
「え、あの……」
視線が、
箱と、相手と、
ぷりちゃんの顔を行ったり来たりする。
「……味見?」
「う、うん……!」
ぷりっつは、一瞬だけ黙った。
「ふーん」
(その「ふーん」やめて!?)
心臓がばくばくする。
「……俺の分は?」
「え?」
「試作、やろ」
さらっと言われて、
ちぐの思考が止まる。
(え、今?ここで?)
「い、今は……」
言い淀んだ、その瞬間。
「冗談や」
ぷりっつが、ふっと笑った。
「まだ早いんやろ」
——見抜かれてる。
「……うん」
小さく頷く。
「ほな、 完成したら一番に教えて」
そう言って、背を向けた。
その夜。
ちぐは、布団に転がって天井を見つめていた。
(……一番に、だって)
胸が、じんわり熱くなる。
(絶対、ぷりちゃん用は特別にする)
机の上のメモに、
太字で書き足す。
《最終版:ぷりちゃん用(本命)》
「……よし」
気合を入れた、そのとき。
スマホが震えた。
《ぷりちゃん:今日のチョコ、 誰のための試作なん?》
——え?
画面を見つめて、固まる。
(それ、聞く……?)
ーーバレンタインまで、あと5日ーー
♡>>>>1500
コメント💬いつもくれる子ありがとう🫰🫰
コメント
11件
もう作品良すぎてこれです😭 はやくバレンタイン来ないかな〜 続き楽しみに待ってます!
1番に、はずるすぎるよ、prくん! tgちゃんの「prちゃん用(本命)」←これ可愛いすぎる… バレンタインまで1週間切ったな〜
ぷりちゃん嫉妬してるのかわいいし 誰宛なのか聞いてるのずるい沼男過ぎる!! ちぐちゃんも試行錯誤してるとこすっごいかわいい 🫶 かち様のおかげでこの話の最終話を見るというバレンタインの予定出来たよ😭👍