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『』…物怪瑠衣
敵組織(ライヘンバッハ)の薄暗いアジト。
電子音だけが響く部屋で、物怪瑠衣はホークアイズから盗み出した極秘データを端末に移し替えていた。
そう、物怪瑠衣は、裏切ったのだ、ホークアイズを…
「おい、手元が止まっているぞ。まさか元仲間に情でも湧いたか?」
背後からかかる、値踏みするような男の声。
瑠衣は、振り返ることもせず、ふっと冷ややかな笑みを唇に浮かべてみせた。
パリ仕込みの、洗練されていて、どこか酷薄な笑みだ。
『まさか。あんな無能な名探偵の下で、一生「ただの記録者」として飼い殺されるのは、御免だった、と言ったはずですが?·····ほら、要求されたデータです。これで満足ですか?』
完璧な演技だった。声のトーン、視線の外し方、すべてが「ホークアイズを裏切った冷酷な男」そのもの。男は満足そうに鼻を鳴らし、データを奪い取って部屋を出ていく。
パタン、と重い鉄の扉が閉まった瞬間。
『はッッ……、バカめ』
瑠衣の口から、低く吐き捨てるような嘲笑が漏れた。
冷徹な裏切り者の仮面が剥がれ落ち、その下に隠されていた、狂おしいほどのギラギラとした闘志が剥き出しになる。
(あの程度のブラフで見破れると思ってんのかよ、クソ野郎が。俺の家族に手ぇ出したこと、骨の髄まで後悔させてやる……!)
瑠衣は、家族のためにホークアイズを裏切ったのであった。
ポケットの中で、ギリッと拳を握りしめる。
確かに今、自分の家族は、人質に取られている。
だが、ただ怯えて救いを待つようなタマじゃない。
敵の懐に潜り込んだのは、内部からこいつらの組織を徹底的にハッキングし、人質を自力で奪還するためだ。
そして────何より。
(おい、司波仁。お前、まさか今の俺のデータ移行の「癖」、気づいてねぇわけねーよな?)
瑠衣が敵に渡したデータには、ほんの僅かなノイズ────仁にしか解けない、特殊な「暗号」を仕込んである。
自分一人てカタをつけるつもりだが、あの傲慢な名探偵が、黙っているはずがないことも知っている。
(絶対に俺の手で、お前ら(敵)も、あの鼻持ちならない名探偵(司波仁)も、まとめて出し抜いてやる。·····下剋上だ、今に見てろよ!)
暗闇の中、瑠衣の瞳だけが、獣のように鋭く光っていた。
コメント
3件
HA☆HA☆HA☆HAやばい続き楽しみすぎて滅! あ、たおr_(:3」z)_
おお、これは熱い展開でしたね。瑠衣が「裏切り者」としてライヘンバッハに潜り込む——その一見裏切りのように見せかけて、実は家族を救うための偽装工作。そして仁宛てに仕込んだ暗号データがまた痺れる仕掛けだ。 「下剋上」って言葉が象徴的で、ただの救出劇じゃなくて、敵も味方も全部出し抜いてやるっていう瑠衣のギラついた意志が指先から伝わってくるようだった。パリ仕込みの冷笑の裏で、あの研ぎ澄まされた狂気を隠してるのがいい。次、どう動くのか本当に気になるな。
#星喰兄弟
ort0__🍏@鬱病
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