テラーノベル
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「あれまぁ翔ちゃん随分と買い込んだねぇ」
「これでも厳選したんだけど……」
「まぁまた来なんせ」
「あ、おばあちゃん、そのエプロン」
「ん〜?これかー?孫がねぇ、くれたんよ。ばばにはちょっと可愛すぎるけどなぁ」
「そんなことないよ、似合ってる。おれ、そのキャラ好きなの。似てるってよく言われる、ほら」
俺にしてみせたのと同じように口をきゅっとあげる
「あらまぁほんとだね、可愛いわぁ笑」
「そうでしょ、ふふふ」
「あ、そうだ。それならこれをあげるわ」
そう言って店の奥に行ったおばあちゃんが戻ってきた時には、同じキャクターのキーホルダーが2つその手に握られていた
もう片方の手にもキーホルダーのたくさん入った箱がある
「駄菓子のおまけがたくさん余ってるのよ、持って帰り」
「わぁ!ありがとう!……おばあちゃん、これ他のも貰っていいの?」
「いいよ。もう捨てるつもりやったからいくらでも」
「会社の人も好きなんだ」
「そうか、持ってき持ってき」
翔太くんはキャラクターの山を選り分けて、1つずつ違うキャラクターを選んでいく
「おばあちゃん、ありがとう」
「こちらこそ、お買い上げありがとうございました。また駄菓子買いにおいでね」
「うん」
「おばあちゃん俺もまた来るね、ありがとう」
「蓮坊も元気でな」
袋に詰めてもらったお菓子を下げて駄菓子屋さんを出る
「蓮さんにもこれあげる」
「翔太と同じの?」
「うん、おばあちゃんくれたから」
少しだけ耳の淵を赤くしながら嬉しそうに笑う
「じゃあ携帯につけようかな」
「あ、俺もつけたい」
2人でキーホルダーを袋から出して携帯につける
「お揃いだね、翔太」
「おそろい………」
「嬉しい?」
「うん!」
よっぽど嬉しいのか、軽くスキップをしながら歩く翔太の斜め後ろを歩いていく
「翔太は、会社の人と仲良いんだね」
そう聞いてみると、穏やかな表情で答える
「ん、小さい部で俺以外はみんな女の人なんだけど、みんな優しいんだ」
「そうなんだ」
「部長さんがね、すごく仕事のできるお姉さんなんだけどね」
「うん」
「彼女さんと一緒に暮らしてるんだって」
「へぇ?」
「配属された日にね、みんな知ってるからどうせいずれ分かるしって、何でもないことみたいに教えてくれて」
「なかなかいないね」
「すごい明るい人だなって思って、俺も素直に自分のこと話せたんだ」
「そっか」
「他のメンバーはストレートの人ばっかりだけど、俺のことは知ってて受け止めてくれてるんだ」
「素敵な職場だね」
「お菓子食べながら恋バナとかしょっちゅうだよ笑」
「へぇ?翔太も話すの?」
「うん、そこでなら自分のこと言えるから。慰めてもらうことの方が多いけど」
「翔太にとって大事な場所なんだね」
「うん、助けられてる。だからこれも日頃のお礼にあげるんだ」
そう言いながら、キーホルダーたちを目の前に掲げて優しい目をする
「喜んでくれるといいね」
「きっとキャラクター争奪戦だよ笑」
「楽しみだね」
「うん」
「蓮さんは?」
「ん?」
「職場の人は仲良い?」
「どうだろうなぁ〜、悪くはないんだけど」
どう言語化しようかと思案する
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