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瀬名泉さんと病気。

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瀬名泉さんと病気。

1 - # ① 。

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2025年06月15日

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  🦐side  


…俺は『触感病』っていう珍しい病気らしい。

触れると、相手の感情が読み取れる…っていうなんだか嫌な病気だ。

嫌いとかいう、俺を否定する…好きなどの俺を肯定する…全ての感情を読み取れる。

症状は3ヶ月周期で来る。

月経みたいに、急に来るからめんどくさい。

悪化すると、人のことを恐れ暗闇を好むようになるのだとか。


…掛かったのは1年前ぐらい、夢ノ咲学院3年生頃の時だ。

ゆうくんにハグをしたら、急に頭の中に『鬱陶しい』などの単語が思い浮かんできた。

当時は、自分の感情か相手の感情かなんてわかってなかった。

よくわかんなかったから、なるくんの肩を軽く叩いてみた。

浮かんできたのは『どうしたのかしら』などの疑問みたいな感情。

その時、俺は少しゾッとした。

相手の感情を読み取れるなんて、俺からしたら奇妙なことだった。

奇妙で、怖くて__俺の感情が乱れそうだったから、医者にかかってみた。

それで診断されたんだ、『触感病』って。

その時は、『何その病気…チョ〜うざぁい!』とか思ってたんだけど…

診断結果聞く度に怖くなって……途中で診断結果を述べてもらうのを中断してもらった。


実話だ。

実話以外のなんでもない。

かさくん達にも一応話した。

俺が、俺がいつ…人のことを恐れ、暗闇を好むようになるかはわからなかったから。

ホントに、人の感情が触っただけで知れるなんて…嫌な病気。

誰が俺に嫌悪感を抱いているか…好意を抱いているか、全て分かる。

憤怒だって、怠惰だって…全てわかってしまう。

例えば、かおくんだと触れたら『めんどくさい』など怠惰な感情だった。

ちあくんに触れてみると、『ヒーロー』など好きなヒーローの話題ばっかで埋め尽くされた、感情に例えると嬉や楽。こんな感じだ。

…それはそれとして、夜だし、寮戻らないとねぇ。


「ゆうく〜ん!!!」

「げ…」


ゆうくんを見つけたから、ハグをしてみた。咄嗟に浮かんだのは、『鬱陶しい』という嫌悪の感情。

あぁ、まただ。めんどくさい。

薬に頼るか…?いや、今日は切らして買いに行こうと思ってたんだ。

それでいつの間にか、忘れて夜になってた。

夜まで誰にも触れてなかったし…

それにホント、嫌悪の感情とか……そんな感情がわかるぐらいなら、誰もいない暗いところに行きたい気分。

悪化したっていいから、こんな嫌悪の感情を示さないでほしい。

俺の精神がいつか本当に…壊れてしまいそうになるから。

でも、治らないのは事実だ。

薬がなけりゃ、我慢しなければならない。

ここから、3ヶ月。

また感情を読み取れるようになってしまう。

ホントに、人の感情読み取れるとか…嫌な病気だ。

……何回思っているんだろう 。

俺の心がマンネリ化してるみたいだ。

まぁいい、明日薬を買いに行こう。

瀬名泉さんと病気。

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