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🦐side
…俺は『触感病』っていう珍しい病気らしい。
触れると、相手の感情が読み取れる…っていうなんだか嫌な病気だ。
嫌いとかいう、俺を否定する…好きなどの俺を肯定する…全ての感情を読み取れる。
症状は3ヶ月周期で来る。
月経みたいに、急に来るからめんどくさい。
悪化すると、人のことを恐れ暗闇を好むようになるのだとか。
…掛かったのは1年前ぐらい、夢ノ咲学院3年生頃の時だ。
ゆうくんにハグをしたら、急に頭の中に『鬱陶しい』などの単語が思い浮かんできた。
当時は、自分の感情か相手の感情かなんてわかってなかった。
よくわかんなかったから、なるくんの肩を軽く叩いてみた。
浮かんできたのは『どうしたのかしら』などの疑問みたいな感情。
その時、俺は少しゾッとした。
相手の感情を読み取れるなんて、俺からしたら奇妙なことだった。
奇妙で、怖くて__俺の感情が乱れそうだったから、医者にかかってみた。
それで診断されたんだ、『触感病』って。
その時は、『何その病気…チョ〜うざぁい!』とか思ってたんだけど…
診断結果聞く度に怖くなって……途中で診断結果を述べてもらうのを中断してもらった。
実話だ。
実話以外のなんでもない。
かさくん達にも一応話した。
俺が、俺がいつ…人のことを恐れ、暗闇を好むようになるかはわからなかったから。
ホントに、人の感情が触っただけで知れるなんて…嫌な病気。
誰が俺に嫌悪感を抱いているか…好意を抱いているか、全て分かる。
憤怒だって、怠惰だって…全てわかってしまう。
例えば、かおくんだと触れたら『めんどくさい』など怠惰な感情だった。
ちあくんに触れてみると、『ヒーロー』など好きなヒーローの話題ばっかで埋め尽くされた、感情に例えると嬉や楽。こんな感じだ。
…それはそれとして、夜だし、寮戻らないとねぇ。
「ゆうく〜ん!!!」
「げ…」
ゆうくんを見つけたから、ハグをしてみた。咄嗟に浮かんだのは、『鬱陶しい』という嫌悪の感情。
あぁ、まただ。めんどくさい。
薬に頼るか…?いや、今日は切らして買いに行こうと思ってたんだ。
それでいつの間にか、忘れて夜になってた。
夜まで誰にも触れてなかったし…
それにホント、嫌悪の感情とか……そんな感情がわかるぐらいなら、誰もいない暗いところに行きたい気分。
悪化したっていいから、こんな嫌悪の感情を示さないでほしい。
俺の精神がいつか本当に…壊れてしまいそうになるから。
でも、治らないのは事実だ。
薬がなけりゃ、我慢しなければならない。
ここから、3ヶ月。
また感情を読み取れるようになってしまう。
ホントに、人の感情読み取れるとか…嫌な病気だ。
……何回思っているんだろう 。
俺の心がマンネリ化してるみたいだ。
まぁいい、明日薬を買いに行こう。