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慣れって怖いね それを失った時心が元に戻ろうとするから慣れがなくなって苦しくなりそう
パァパァ(°▽°)(°▽°)
それでは本編へ〜〜
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第十六話『選択肢』
??「はぁだから、あれだけ御前会議で反対意見を述べたのに!、、、もういい、」
「終わった帝國に選択肢なんてねぇもんな。」
?「、、、アンタは穏健派じゃ無かったのか?」
??「、、、海か。いや今は日ノ丸海少佐か。」
海「ご無沙汰してます。陸軍、日ノ丸昭和少将。」
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大英「、、、まぁこのまま上手くいけば日本は復興し、いずれ他国と上手く渡り合えるだろう。」
日本主層「、、、ではこれで会議は終わりとなります。本日は誠に有難う御座います。」
大英「あぁこの度の敗戦が、日本の未来に繋げてよかったよ。」
米帝「、、、手痛い敗戦に繋げられててな。」
米帝は歪に口角を歪ませ、ニヤリと笑った。
日本主層「、、、そうですね。貴方方に負けた事が幸運だったのかも知れませんね。」
大英「、、、ただ政治、経済面を復興するにはやはり国民の支持が不可欠だ。我々は直接、関与出来ないが応援している。」
日本主層「、、、本当にありがとうございます。」
大英「、、、それでは。」
キィィガシャン。
大英「おい、もう少し閉める時、静かにしろよ。」
フランス「しょうがねぇじゃん。とゆうかさっきの会議、僕出る必要あった?」
大英「あ?あるだろう、ベトナム独立とか。」
フランス「、、、確かし。、、、うあ!眩し‼︎」
建物の外に出ると十二月とは思えない程の光が目に差し込んできた。
大英がチラとブランド腕時計を確認すると、時計の針は11時を過ぎておりちょうど飯時だった。
フランス「、、、折角だし観光して行かね?」
大英「だったらあそこの食堂で済ませよう。」
フランス「おっいいね、なんか美味いのあるかなぁ、、、、、、。」
店の戸を横にガラガラと引くと、昨日今日の顔見知り陸が働いていた。陸もフランス達が入ってきた事にギョッとしている。
大英「おい後ろがつっかえて、、、そうゆう事か。」
大英も今の状況が分かり入口で立ちすくんでいた。すると奥から漂う美味しい匂いにフランスの腹が思わず鳴ってしまった。それを見兼ねた陸が提案した。
陸「、、、食べていきます?」
フランス「あぁ。そうする。」
二人は席に案内され椅子に腰をかけた。陸は水を持ってきて古くなった机にコトッと置いた。ふとフランスが陸の顔を覗き込むと陸にはクマができている事に気がついた。
フランス「、、、もしかして寝てない?」
陸「、、、エ。」
陸が大英の前にも水を置こうとした時、唐突に問われた。それに返さないのもなと思い陸は素直に答えた。
陸「はい。最近思うように眠れなくて。」
フランス「、、、良かったら話を聞くよ?」
大英は置かれたコップに手を取りスイーと飲んだ。陸は動揺を隠しきれなかった。フランスはとゆうと真面目な眼光でガン見してくる。断りきれない陸に大英が___
大英「言ってやってくれ。それでお前も少しは気が楽になるだろう。」
他人事にように助言されてしまう陸は渋々受けてしまった。
フランス「あぁそうそう。カウンセリングをやる前にその花の名を聞いてもいいかな、美人の少年。」
陸(ナンパ⁉︎とゆうか俺、二十だぞ⁉︎)
「、、、日ノ丸陸と申します。せかっかくですし何か食べながらでも。」
陸は奥の台所へ行き即席定食を持ってきた。その匂いには二人とも待ちきれないようだ。
フランス「わぁスゲェ!」
陸「鯵の唐揚げ定食です。お口に合えばいいですが。」
フランス「お構いなく〜、、、それで?どうしたんだ?」
淡々と話の難破船に乗せられ相手のリズムに乗れないまま陸は話す事にした。
陸「、、、耳に入っているとは思いですが。大戦時、私は数多くの戦友の死屍を見てきました。それは本当に地獄のようで、、、思い出すだけで吐き気がする。」
フランス「、、、そっか。気軽に話していいぞ。腹切って話すものだし、その方が楽だろ?」
陸「、、、。ありがとうございます。、、、それから夢に出てくるんです。あの酷い出来事が脳裏に未だ焼き付いて離れない。」
フランス(知ってる。よくわかる。)
陸「あんだけ我慢した、家族を失った、苦しい中でも生き延びた。終戦した後でもずっと生き地獄を歩んでいて。今やもう生きる意味が分からなくなっている。、、、あんだけの地獄を経験したってゆうのに、こんな事で悩むなんて。」
陸は情けなさそうに語る。しかしフランスの返事は肯定の言葉ではなかった。
フランス「それにはちょと違うな。」
陸「、、、?」
フランス「戦争で心が強靭になった訳じゃない。戦争に心が慣れてしまったんだ。」
陸「!」
フランス「平和な生活は昨日すら覚えていないのに、戦争での出来事は鮮明に覚えてる。血肉の脂。機関銃の弾幕音。最期の呻き声。それらは今日まで僕達をいつまでも平和な生活に返してくれない。」
陸「、、、、、、。」
フランス「率直に問おう。陸。」
陸「、、、。」
フランス「お前は戦いたいか、死にたいか。」
陸「ッ!」
透明なガラスから光がその場を照らしていた。逆光に照らされたフランスの白髪は無意識に不気味に思えてしまった。真正面からの真層に問う質問に少々陸は心を抉られた。
どちらを取ってもどうせ報われない。陸はもう今の人生に意味を見出せていなかった。
辛い、苦しい、逃げ出したい___
陸「死にたい。」
陸は下に俯き、静かにそう本音を吐き出した。目にはもう生きていないかのように明るい灯火がなくなっていた。
フランス「、、、そうか。」
その答えを受け取った。
三人だけの空間に充満した不穏な空気を切るように大英は食べ終え口を開いた。
大英「美味しかった。そして時間だ、帰りの船が出てしまう。」
フランス「、、、わかった、また来るよ。代金は___」
陸「結構です。それがカウンセリング代です。」
フランス「そ。じゃまた。」
陸「、、、はい。」
二人は戸を引き、振り返らず港へと歩いて行った。
陸「、、、、。」
陸はいつまでも二人の背中を見つめていた。水平線まで見えなくなるまで。
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大英「今の二択の質問。」
フランス「、、、ふっw。」
大英「俺のセリフをパk」
フランス「ふははは‼︎」
大英「はぁ、、、呆れたものだ。俺はああゆう意図であの時、お前に質問した訳じゃないぞ。」
フランス「んな事はわかってる。」
大英「、、、では何故。あの質問を自殺に追い込むような問いの使い方をした?」
上から差し掛かる光によりシルクハットからできた黒い影は大英の苛立ちを表しているようだった。それを見たフランスは少し怖気ついた、でもすぐにそう思った事が不快に思う。
何故なら、大英はフランスの復讐相手の一人だったから。
フランス「だけどまぁ、、、俺はお前のように死にたがりを鼓舞する事が出来なかったよ。」
大英「、、、はぁ、、、不器用め。」
フランス「あ!今侮辱したな!」
大英「してねぇ。」
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19××年
地獄。
それ以外で表現できるものを俺は知らない。いやそれ以上にここは悲惨は地と化していた。俺は声を荒あげ、今までに人生で最も高い憎悪を、殺意を放った。
フランス「ブッ殺してやる‼︎アイツらも!お前も!」
大英「、、、ククク。」
初めて会ったそいつは泣き叫ぶ俺に悪魔の笑いをしていた。
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破 第十六話『選択肢』 完
次回は少し時が遡ります。そこで明かされる悲劇。
『いや美しい感動劇。』
それではまた地獄の戦場で。